ボンバルディア

ボンバルディア (Bombardier Inc.)

ボンバルディアは、カナダのケベック州モントリオールに本社を置く航空宇宙及び鉄道車両メーカーです。この企業は、もともとビジネスジェットの製造を主な業務としており、過去にはスノーモービルや多目的車両の製造にも注力していました。現在、民間航空機部門は世界で第四位の規模を誇っています。企業の創業は1936年に遡り、創業者のジョゼフ＝アルマン・ボンバルディエが小さな修理工場からスノーモービルの製造を始めたことに起源を持ちます。

歴史

ボンバルディアの創業者、J. A. ボンバルディエは、ケベック州の農村に生まれ、機械に対する強い興味を抱きながら成長しました。19歳のときに機械修理工場を開き、自動車や農機具の修理に従事しました。当時、カナダの農村では冬季に雪が深くなり、交通が困難になるという問題がありました。J. A. ボンバルディエは、これを解決するための乗り物を作るために研究を続けました。1935年には初めて実用的なスノーモービルを完成させ、1936年には市販モデル「B7」を生産しました。

「B7」はビジネスマンや医師たちに受け入れられ、カナダ市場で成功を収める一方で、限られた工場規模では需要に追いつかない事態に直面しました。1940年には新たな工場を設立し、続けて大型モデル「B12」を販売するなど成長を続けました。第二次世界大戦中には軍事用スノーモービルの開発に協力しつつ経営を維持しました。

戦後は、さらなるモデルの開発に乗り出すこととなりましたが、高速道路の建設によりスノーモービルの需要が減少。同社は新しい市場へ対応するため、農業用トラクターや全地形対応車（ATV）などの開発に着手しました。

1959年には「スキードゥー」という小型スノーモービルを市場に投入し、プロユーザーやレジャー利用者からの支持を受けました。これにより、ボンバルディアは雪上移動の分野で重要な地位を確立しました。1970年には鉄道車両の製造に進出し、モントリオール向けの地下鉄電車を製造するなど、事業を拡大しました。

近年のボンバルディアは、航空宇宙部門においてビジネスジェットに特化する方針を打ち出し、鉄道車両部門をアルストムに売却することを決定しました。このように、ボンバルディアは時代の変化に柔軟に対応しながら、新たな成長を模索しています。

航空宇宙部門

ボンバルディアの航空宇宙部門は、初めて民間航空機の製造に携わるようになった1986年以来、様々な買収を通じて成長を遂げてきました。特に、カナディアやデ・ハビランド・カナダを買収して航空機の製造能力を高め、かつてはボーイングやエアバスに次ぐ地位を築くことに成功しました。しかし、2010年代後半には競争が激化し、売上の減少に直面します。このため、Cシリーズの開発に力を入れましたが、苦戦を強いられ、その後ビジネスジェット専業への回帰を決定します。

鉄道部門

ボンバルディアの鉄道部門は1970年に始まり、以来、市場のニーズに応じた製品の開発を行ってきました。この部門は、特に北米及びヨーロッパにおいて路面電車の復権が進む中、重要な位置を占めることになります。しかし、近年はアルストムに事業を売却することを決定し、鉄道車両製造からの撤退が進んでいます。

まとめ

ボンバルディアは、その歴史を通じて革新を続け、時代の要請に応じて事業を見直し、成長を図ってきました。今後も航空宇宙のビジネスジェット分野での成長に注力し、更なる進化を遂げていくことが期待されます。

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