モンファルコーネ

イタリア北東部、アドリア海に面する港湾都市モンファルコーネ

モンファルコーネは、イタリア共和国フリウリ＝[[ヴェネツィア・ジュリア州]]ゴリツィア県に位置する基礎自治体（コムーネ）で、約3万人の人口を擁しています。アドリア海に面した港湾都市であり、造船業を中心とした工業都市として知られています。周辺地域を含めた都市圏の人口は5万人に達し、県都ゴリツィアを上回る規模を誇ります。

多様な言語で呼ばれる街

モンファルコーネは、標準イタリア語以外にも、ヴェネト語グラード方言では「Mofalcon」、フリウリ語では「Monfalcon」、スロベニア語では「Tržič」、ドイツ語では「Falkenberg」と呼ばれています。

地理的特徴

モンファルコーネは、ゴリツィア県の南東部に位置し、ビシアカリア地方の中心都市です。県都ゴリツィアから南南西約16km、州都トリエステから北西約26km、ウーディネから南東約38km、ヴェネツィアから東北東約103kmの場所にあります。市域の南東部はトリエステ県と接しています。

アドリア海最奥部、ヴェネツィア湾の北東部に面した沿岸に位置し、地形は平坦ですが、市域北東部にはカルソ台地が迫っています。モンファルコーネの海は地中海の最北端にあたり、入り江はリド・ディ・パンツァーノと呼ばれ、パンツァーノ・バーニという島があります。

気候と地震

モンファルコーネの気候は、イタリアの気候分類でzona Eに属し、度日は2213 GGです。また、イタリアの地震リスク階級ではzona 3 (sismicità bassa)に分類され、地震リスクが低い地域とされています。

都市の構成

モンファルコーネの市街地は、カルスト台地とアドリア海の間の平野部に広がり、港を中心に発展しています。スタランツァーノやロンキ・デイ・レジョナーリとは市街地が連担しています。海沿いには、パンツァーノやマリーナ・ジュリアなどの地区や集落があります。

歴史

モンファルコーネの地には、先史時代の要塞化された集落の遺跡があります。ローマ時代には植民都市アクイレイアが建設され、丘の上に建物が建てられました。西ローマ帝国崩壊後は、東ゴート王国、西ローマ帝国、ランゴバルド王国、フランク王国の支配を経て、967年にアクイレイアの総大司教領となりました。

1420年、ヴェネツィア共和国が3度の戦争の末にモンファルコーネを統治下に収めました。その後、フランスによる占領、ヴェネツィアによる奪回、ハプスブルク家のマクシミリアン1世による占領を経て、1521年にヴェネツィアが再奪回し、1797年のヴェネツィア共和国解体までその領域にありました。

ウィーン会議後、ハプスブルク君主国（オーストリア帝国）の領土となりました。第一次世界大戦中は、イゾンツォ川流域がイタリア王国とオーストリア＝ハンガリー帝国の激しい争奪の舞台となり、モンファルコーネは1915年にイタリア軍が占領しましたが、1917年にはオーストリアが奪回しました。休戦後、イタリアが再び占領し、1920年に正式にイタリア領となりました。

第二次世界大戦後、1954年まではイタリア共和国とトリエステ自由地域の「国境」でした。

産業と経済

モンファルコーネは、フィンカンティエリの造船所をはじめ、船舶、航空機、織物、化学、石油精製などの工場がある工業都市です。イタリアを代表する造船業の拠点となっています。

住民

コムーネの人口は県内で第2位、州内では第5位の規模です。周辺地域を含めた都市圏の人口は5万人に達し、県都ゴリツィアを上回っています。

交通

鉄道は、ウーディネ＝トリエステ線とヴェネツィア＝トリエステ線が通り、モンファルコーネ駅があります。道路は、A4高速道路、SS14、SS55、SS305国道が通っています。港湾としては、モンファルコーネ港があります。

姉妹都市

モンファルコーネは、オーストリアのノイマルクト・イン・シュタイアーマルク、イタリアのガッリーポリと姉妹都市提携を結んでいます。

著名な出身者・ゆかりの人物

シンガーソングライターのジーノ・パオリがモンファルコーネ出身です。また、冒険家で軍事英雄のエンリコ・トッティ、建築家のアントニオ・サンテリアは、この地で戦死しています。

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