モンフェッラート侯国

モンフェッラート侯国と公国の歴史

モンフェッラート侯国は、現在のイタリア・ピエモンテ州南部に位置し、トリノの東に広がる地域を支配した侯爵領です。その歴史は、967年にまで遡り、その後公国へと発展を遂げ、1708年にサヴォイア公国に併合されるまで、様々な変遷を経験しました。

侯国の成立とアレラーミチ家の統治

950年頃、イタリア王ベレンガーリオ2世によって、西リグリア侯国として成立しました。ベレンガーリオ2世は娘婿であったアレラーモに侯爵位を与え、これがモンフェッラート侯国の始まりとなりました。アレラーモとその子孫であるアレラーミチ家は、1305年まで約350年にわたりモンフェッラートを統治し、この地域の歴史における重要な役割を果たしました。

パレオロゴ家による継承

1305年にアレラーミチ家が断絶すると、モンフェッラート侯国は東ローマ帝国の皇族であったパレオロゴ家に継承されました。パレオロゴ家は、東ローマ帝国の血を引く家系であり、その統治はモンフェッラートに新たな文化と影響をもたらしました。しかし、1533年にパレオロゴ家も断絶し、侯国は新たな時代を迎えることになります。

ゴンザーガ家の支配と公国への変遷

パレオロゴ家断絶後、モンフェッラート侯国は一時スペイン王カルロス1世に占領されましたが、その後、ゴンザーガ家のマントヴァ公フェデリーコ2世に統治されることとなりました。1574年には、グリエルモ10世が神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世によって公爵に陞爵され、モンフェッラートは公国へと移行しました。この公国への移行は、モンフェッラートの地位と権威を高める重要な出来事でした。

マントヴァ継承戦争と公国の終焉

1628年から1631年にかけて、モンフェッラート公国はマントヴァ継承戦争の影響を受け、一時的に断絶しました。その後、ゴンザーガ＝ネヴェル家が公位を継承しましたが、1708年、最後の公フェルディナンド・カルロが神聖ローマ皇帝レオポルト1世によって所領を没収され、モンフェッラート公国はサヴォイア公国に併合され、その歴史に幕を閉じました。

モンフェッラート侯・公 一覧

アレラーミチ家 (961年 - 1305年)

アレラーモ (961年 - 991年)
グリエルモ2世 (共同統治者、961年)
オットーネ1世 (991年)
グリエルモ3世 (991年 - 1042年)
オットーネ2世 (1042年 - 1084年)
グリエルモ4世 (1084年 - 1100年)
ラニエーリ1世 (1100年 - 1136年)
グリエルモ5世 (1136年 - 1191年)
コッラード (1191年 - 1192年)
ボニファーチョ1世 (1192年 - 1207年)
グリエルモ6世 (1207年 - 1225年)
ボニファーチョ2世 (1225年 - 1253/1255年)
グリエルモ7世 (1253/1255年 - 1292年)
ジョヴァンニ1世 (1292年 - 1305年)

パレオロゴ家 (1305年 - 1533年)

テオドロ1世 (1306年 - 1338年)
ジョヴァンニ2世 (1338年 - 1372年)
オットーネ3世 (1372年 - 1378年)
ジョヴァンニ3世 (1378年 - 1381年)
テオドロ2世 (1381年 - 1418年)
ジョヴァンニ・ジャコモ (1418年 - 1445年)
ジョヴァンニ4世 (1445年 - 1464年)
グリエルモ8世 (1464年 - 1483年)
ボニファーチョ3世 (1483年 - 1494年)
グリエルモ9世 (1494年 - 1518年)
ボニファーチョ4世 (1518年 - 1530年)
ジョヴァンニ・ジョルジョ (1530年 - 1533年)

ゴンザーガ家 (1533年 - 1574年)

フェデリーコ (1533年 - 1540年)
フランチェスコ1世 (1540年 - 1550年)
グリエルモ10世 (1550年 - 1574年)

モンフェッラート公 (ゴンザーガ家: 1574年 - 1627年)

グリエルモ10世 (1574年 - 1587年)
ヴィンチェンツォ1世 (1587年 - 1612年)
フランチェスコ2世 (1612年)
フェルディナンド1世 (1612年 - 1626年)
ヴィンチェンツォ2世 (1626年 - 1627年)

モンフェッラート公 (ゴンザーガ＝ネヴェル家: 1627年 - 1708年)

カルロ1世 (1627年 - 1637年)
カルロ2世 (1637年 - 1665年)
* フェルディナンド・カルロ (1665年 - 1708年)

モンフェッラートの歴史は、多くの侯爵と公爵によって彩られ、それぞれの時代で異なる統治が行われました。この地は、中世から近世にかけてのヨーロッパの政治的、文化的な変動を色濃く反映しています。

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