ゴンザーガ家

ゴンザーガ家は、イタリアの歴史において重要な役割を果たした貴族の家系であり、特にマントヴァの支配者として知られています。その起源は14世紀に遡り、1328年にボナコルシ家から権力を奪取し、マントヴァの市民の統領（カピターノ・デル・ポポロ）の地位を世襲することで、その歴史が始まりました。

マントヴァ侯から公爵へ

15世紀に入ると、ジャンフランチェスコが1433年に領主の地位を確立し、マントヴァ侯となりました。この時代から、ゴンザーガ家はマントヴァにおける支配を確固たるものとしていきます。さらに16世紀には、フェデリーコ2世が1530年に公爵に昇爵し、マントヴァ公国が成立しました。この昇爵は、ゴンザーガ家の権威をさらに高める出来事となりました。また、フェデリーコ2世は1536年に妻マルゲリータを通じてモンフェラート侯国を相続し、ゴンザーガ家はモンフェラート侯（1575年からは公）を兼ねることになりました。これにより、ゴンザーガ家の勢力はさらに拡大しました。

ルネサンス文化の隆盛

ゴンザーガ家は、特に15世紀から16世紀にかけて、マントヴァ宮廷において華やかなルネサンス文化を育てたことで知られています。フランチェスコ2世の時代には、その妻であるイザベラ・デステが多くの文化人を宮廷に集め、レオナルド・ダ・ヴィンチやティツィアーノといった巨匠たちがイザベラの肖像を描きました。また、フェデリーコ2世も母親譲りの文化愛好家であり、ラファエロの弟子ジュリオ・ロマーノを招き、夏の別荘であるパラッツォ・デル・テを建設させました。このように、ゴンザーガ家は芸術のパトロンとして、ルネサンス文化の発展に大きく貢献しました。

家系の衰退と終焉

17世紀に入ると、ゴンザーガ家の直系の子孫は1627年に途絶えてしまいます。その後、フランスでヌヴェール侯爵領を統治していた分家のカルロ1世が家督を継承しましたが、直後に継承戦争が勃発し、1630年にはオーストリア・ハプスブルク家に侵攻されるという事態に見舞われました。これにより、ゴンザーガ家の勢力は次第に衰退していきました。最終的に1708年、最後の当主フェルディナンド・カルロが子供を残さずに死去したことで、マントヴァ公国はハプスブルク家領のミラノ公国に併合され、ゴンザーガ家の支配は終わりを迎えました。

主な人物

フランチェスコ2世（1466年 - 1519年）：第4代マントヴァ侯。妻のイザベラ・デステはルネサンス期を代表する女性であり、多くの文化人を宮廷に集めました。
フェデリーコ2世（1500年 - 1540年）：フランチェスコ2世とイザベラの子。マントヴァ侯を継ぎ、後に公爵に昇爵しました。母親譲りの文化愛好家であり、パラッツォ・デル・テを建設させました。

系図

（具体的な系図は、複雑であるため省略します）

関連項目

ドゥカーレ宮殿：マントヴァにおけるゴンザーガ家の主要な宮殿。
ジュリオ・ロマーノ：ゴンザーガ家のパトロンを受けた画家、建築家。
アロイシウス・ゴンザーガ：聖人。
エレオノーラ・ゴンザーガ：神聖ローマ皇帝フェルディナント3世の皇后。
エレオノーラ・マグダレナ・ゴンザーガ：神聖ローマ皇帝レオポルト1世の皇后。
ルドヴィーカ・マリア・ゴンザーガ：ポーランド王ヴワディスワフ4世の王妃、後にポーランド王ヤン2世カジミェシュの王妃。

参考文献

Selwyn Brinton, The Gonzaga - Lords of Mantua, Methuen & Co. Ltd., 1927.
Jiří Louda, Michael Maclagan, Lines of Succession, Little,Brown & Company, 1981.
* 下津清太郎 『世界帝王系図集 増補版』 近藤出版社、1982年、p. 274

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