モンマス (装甲巡洋艦)

HMSモンマスの概要

HMSモンマスは、20世紀の初頭にイギリス海軍によって建造された装甲巡洋艦であり、総称して「カウンティ巡洋艦」として知られる艦艇の中でも特に重要な存在でした。1903年に完成し、その名はウェールズ州の都市に由来しています。モンマスは、海峡艦隊の第1巡洋艦戦隊に配備され、後に中国艦隊へと移るなど、多様な任務を担ってきました。第一次世界大戦勃発時には、再び活躍の場を求め、大西洋においてドイツ艦隊に対抗する任務に就くこととなります。

設計と性能

HMSモンマスは、設計時の排水量は約9,800トンで、全長は約141メートル、幅は20.1メートル、喫水は7.6メートルに達しました。動力源としては、2基の4気筒3段膨張蒸気機関を使用し、最大で23ノットの速度を発揮する能力を持っていました。しかし、モンマスは設計速度に達しなかった艦の一つであり、実際には数回の運航でそれを達成することはありませんでした。主武装としては、14門の6インチ艦砲を搭載しており、防御も考慮された設計が施されています。喫水線の装甲は最大で102ミリメートルの厚さがあり、特に砲塔の保護が強化されていました。

建造と就役

モンマスの建造は1889年に始まり、1901年には進水しましたが、最終的な完成は1903年のことでした。完成後は海峡艦隊に配属され、1906年からは中国艦隊での任務を担いました。この艦艇は歴史的にも重要な役割を果たし、1907年には日本への公式訪問に際し、当時の駐日大使とともに明治天皇に謁見する機会もありました。

第一次世界大戦としての役割

1914年の第一次世界大戦開戦に伴い、モンマスは再就役し、ドイツの通商破壊艦隊を追跡するために派遣されました。艦は大西洋の中央区域に配備され、特にブラジル沿岸での任務が与えられました。モンマスは、指揮官クリストファー・クラドック少将の戦隊に加わり、ドイツ艦隊の捜索に参加しましたが、11月1日に接触したドイツ艦隊との戦闘、すなわちコロネル沖海戦において大きな損失を被ることになります。

コロネル沖海戦

1914年11月1日、モンマスはドイツ艦隊との接触を果たし、激しい戦闘が開始されました。イギリス艦隊は数的に劣っており、最初の一撃から多くの艦が損害を受けました。特にモンマスは、火災に見舞われ、運命的なダメージを受けることになります。艦の指揮官は、距離を詰めて攻撃し続けましたが、状況は悪化し、最終的には19時58分に転覆し、734名の乗員全員が命を落とす結果となりました。

文化への影響

HMSモンマスの存在は、文学や文化にも影響を及ぼしました。特にアーサー・コナン・ドイルの小説『霧の国』にて、モンマスの乗組員が霊として登場し、その艦との運命を共有した出来事が描かれています。これは、歴史の中での艦の役割や乗員の運命が、文学作品においてどのように表現されるかの一例と言えるでしょう。

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