モンマスの反乱

モンマスの反乱

モンマスの反乱（Monmouth Rebellion）は、1685年6月21日（旧暦では6月11日）、モンマス公でありチャールズ2世の庶子であるジェームズ・スコットが、カトリック教徒の新国王ジェームズ2世に対抗して起こした反乱です。この反乱は、イングランド国内での王位継承を巡る深刻な対立を引き起こしました。

背景

チャールズ2世は多くの庶子を残しましたが、その嫡子はおらず、弟のヨーク公ジェームズが国王としての地位を継承します。しかし、ジェームズのカトリックであることが国民や政治家に受け入れられず、次期国王にはプロテスタントを望む動きが強まりました。チャールズ2世の庶子であるモンマス公ジェームズ・スコットが、その候補として浮上したのです。このため、ホイッグ党とトーリー党という二大派閥に国が分かれ、政治的な緊張が高まります。

チャールズ2世はジェームズを支持し、国会の解散やモンマスへの圧力を強め、彼の政治的動きを封じ込めようとしました。これに対抗してモンマスは、オランダに亡命し、姻戚であるウィレム3世に支持を求めながら復権の機会を狙っていました。

反乱の開始

1685年2月6日、チャールズ2世が死去すると、ジェームズが即位しました。モンマスは5月24日にオランダから300人の兵士を率いてエセックス州ライム・リージスに上陸、国王に対する宣戦布告を行います。これを受けて、ジェームズ2世も鎮圧軍を派遣してモンマスの動きを抑えました。国王軍の主要な指揮官としてはジョン・チャーチルやフェヴァシャム伯が任命され、反乱軍の動向を監視しました。

戦闘と展開

反乱は、支持者を集めながら西へ進軍する計画でした。スコットランドのアーガイル伯も参加し、南下を開始。モンマスはサマセットへ到達し、6000人の農民を集めますが、アーガイルやその他の支持者の失敗が重なり、期待された大軍は形成されませんでした。国王軍の追撃とスコットランドからの援軍の不振が影響し、反乱軍は徐々に不利な状況に追い込まれていきました。

特に、7月3日のセッジムーアの戦いでは、モンマスの夜襲が国王軍の迅速な立て直しに遭い、敗北を喫しました。残された反乱軍は解体され、多くが捕らえられ、モンマス自身も逮捕されます。

結末と戦後処理

ロンドンに連行されたモンマスは、助命を嘆願しますが、裁判無しで死刑が宣告され、6月15日にロンドン塔で処刑されました。彼の処刑後、ジェームズ2世は反乱に参加した者たちの厳罰を命じ、数百人が死刑や流刑にされ、「血の巡回裁判」として知られる一連の事件が引き起こされました。

モンマスとともに逃げた時代の人物たちの行く末は様々でした。アーガイルやファーガソンはそれぞれ処刑されたり、亡命し、モンマスの反乱は、彼の死によって事実上終了しました。

歴史的意義

モンマスの反乱は、王位継承を巡る政治的対立がもたらした悲劇的な結末として記録されています。ジェームズ2世の後、常備軍の強化と宗教寛容の推進が行われましたが、それが反発を招き、結果として1688年の名誉革命へとつながるのです。反乱は成功しなかったものの、その後の政治的変化に大きな影響を与えることとなりました。

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