モンマス級装甲巡洋艦

モンマス級装甲巡洋艦

モンマス級装甲巡洋艦は、イギリス海軍が1903年から1904年にかけて建造した巡洋艦のクラスです。この級は、先代のドレイク級装甲巡洋艦の縮小版として設計されましたが、小型化に伴い速力は変わらず、高い性能を維持しています。

建造概要

モンマス級は全体で10隻が竣工し、その特徴的なデザインは当時の戦闘艦に強い影響を与えました。特に、艦体の設計は長船首楼型となっており、特異な艦橋構造が目を引きます。前部と後部には共に15.2cmの連装砲塔が搭載され、戦闘能力を強化していますが、連装砲塔の電動装置の信頼性が低く、それによって評価が乏しい部分もあります。

艦形と武装

艦の艦首部分には、英国装甲巡洋艦として初めて「1901年型 15.2cm（45口径）砲」の連装砲塔が搭載されています。これにより、攻撃力の向上が図られています。艦橋は司令塔と一体化しており、艦載艇の運用を容易にする設計がされています。また、主砲は電動デザインを採用したものの、動作が重く、信頼性に欠けるとの評価を受けています。

副砲としては、速射砲化した同口径の「1901年型 15.2cm（45口径）砲」を採用し、上下段に配置することで火力を確保しています。全体としては肌寒くなっている砲塔設計がなされているものの、砲の数が以前に比べて減少していますが、その配置に工夫がみられます。対水雷艇用に小型の砲も装備しており、全体的な火力の充実が図られています。

特徴と性能

モンマス級の船体は、前級の162.61mから141.27mに短縮されましたが、効率的な設計により、機動性を確保しています。艦の機関については、複数のボイラー方式が実験的に採用されており、その結果、評価が分かれる形となりました。特にベルヴィール式水管缶については、信頼性の低さが指摘され、次世代の艦に採用されることはありませんでした。振動や消耗在庫の問題から来るトラブルに対し、艦のメンテナンスや運用に影響を及ぼす要因も含まれています。

防御力と評価

装甲については、前級の152mmから102mmに軽量化されていますが、その結果として防御力が低下したとの指摘がされています。この設計方針は一部の艦の評価を下げる要因となり、運用上の課題が残りました。しかし、モンマス級はそのフォルムとデザインが当時の海軍艦艇の潮流に与えた影響は大きく、近代艦艇の設計に与えた教訓を残しています。

同型艦

モンマス級に属する艦艇には、エセックス、ケント、ベドフォード、ベリック、コーンウォール、カンバーランド、ドニゴール、ランカスター、サフォークが含まれます。特にモンマス艦は、1914年のコロネル沖での戦闘において、ドイツ艦隊との接触で沈没という悲劇を迎えました。

このように、モンマス級装甲巡洋艦は設計と運用において様々な工夫がなされた艦艇であり、その歴史的意義はさまざまな視点から研究されています。

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