ドレイク級装甲巡洋艦

ドレイク級装甲巡洋艦

ドレイク級装甲巡洋艦（Drake class armored cruiser）は、イギリス海軍で1902年から1903年にかけて建造された艦艇であり、合計4隻が竣工しました。これはクレッシー級の改良型で、機関出力が大幅に向上し、23ノットという優れた速力を誇ります。これは、フランスの装甲巡洋艦「ジャンヌ・ダルク」の21.8ノットを上回るものでした。第一次世界大戦では、「グッド・ホープ」が1914年のコロネル沖海戦でドイツ艦隊に遭遇し沈没し、一方「ドレイク」は1917年にドイツの潜水艦「U79」の攻撃を受けて沈没しました。

艦形の特徴

ドレイク級の艦形は、当時のイギリス艦艇に特有の装飾的で気品のあるデザインを持っています。長船首楼型を採用しており、艦首には「1897年型23.4cm（45口径）砲」が単装砲塔として装備されています。また、艦橋に設置された司令塔や、背後に位置する四本の煙突、そして艦載艇の配置が特徴的です。後部艦橋の下に位置する後部砲塔や、艦名が記された艦尾、煙突周辺の換気筒の設計にも工夫が施されています。この設計は、被弾時のダメージを最小限に抑えるために改善されました。

主砲と副砲の配置

ドレイク級の主砲は「1897年型Mark X 23.4cm（45口径）砲」で、前級と同じく単装型の砲塔に搭載されています。一方、副砲には「1901年型 Mark VII 15.2cm（45口径）砲」を採用し、艦の舷側に片側4門ずつの合計16門を配置しました。この配置により、波浪時でも安定した射撃が可能ですが、実際の運用では使用できる門数が8門に減少してしまいました。対水雷艇用には、4.7cm砲が3門と水中魚雷発射管が2基装備されています。

船体と機関

ドレイク級の全長は162.61mと前級よりも長くなり、高速航行が可能な設計となっています。機関は、石炭専焼缶と直立四気筒三段膨張式レシプロ機関を組み合わせ、ボイラーの数を増やすことで出力を21,000馬力から30,000馬力に引き上げました。これにより、艦は23ノットの速力を実現しました。

防御性能

防御に関しては、艦の舷側を152mmの装甲で覆い、艦首から前艦橋にかけては51mmの装甲が施されています。しかし、実際の戦闘において、グッド・ホープはドイツ艦隊の攻撃を受けて沈没しました。このエピソードは、ドレイク級が直面した防御上の課題を浮き彫りにしています。

同型艦

ドレイク級には以下の艦が含まれます。

• - ドレイク
• - グッド・ホープ
• - キング・アルフレッド
• - リヴァイアサン

これらの艦は、いずれも当時の海戦で重要な役割を果たしました。

参考文献

本級に関する詳細な情報は、「世界の艦船増刊第46集　イギリス巡洋艦史」（海人社）をご覧ください。また、デヴォンポート海軍基地には、ドレーク（HMS Drake）と呼ばれるエリアが存在し、当時の艦艇の歴史を示す記念物もあります。

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