モーリー・ウィルス

モーリス・モーニング・ウィルスについて

モーリス・モーニング・ウィルス（Maurice Morning Wills）は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.に生まれ、野球界に多大な影響を与えたプロ野球選手です。彼は1932年10月2日に生まれ、2022年9月19日にアリゾナ州で亡くなりました。ウィルスは遊撃手および三塁手として知られ、右投両打のスタイルでプレイしました。

選手生活の始まりとドジャース復帰

ウィルスは高校を卒業後、1951年に当時のニューヨーク・ブルックリン・ドジャースに入団しました。ドジャースには名遊撃手ピー・ウィー・リースが在籍しているため、ウィルスはなかなかメジャーリーグ昇格のチャンスを得られませんでした。その後、シンシナティ・レッズやデトロイト・タイガースのマイナーリーグで過ごすも、メジャーリーグには昇格できず、1959年にロサンゼルスに移転したドジャースに復帰し、6月6日に26歳でメジャーデビューを果たしました。

デビュー年の同年には、シカゴ・ホワイトソックスとのワールドシリーズにも全試合出場し、早くもチャンピオンの座に輝きました。ウィルスは1960年からレギュラー選手としてチームに欠かせない存在となり、特にそのスピードを活かした盗塁で名を馳せました。彼は1960年から1965年まで、驚異的な6年連続盗塁王に輝きました。

盗塁と偉業の数々

彼のキャリアで特に注目されるのは1962年で、この年にウィルスはMLBの歴史の中で初めてシーズン104盗塁を達成しました。この年は165試合にも出場したことから、MLB記録に名を刻む形となりました。盗塁成功率は驚異的な89％に達し、さらに三塁打10本を記録するなど、攻撃でもチームに貢献しました。その結果、1962年にはナショナルリーグの最優秀選手に選ばれました。

ウィルスはまた、1961年と1962年の2年間にわたりゴールドグラブ賞も受賞しており、守備でもその実力を証明していました。オールスターゲームには通算5回選出され、その内の1962年にはMVPにも選ばれています。

終わりの見えない挑戦と移籍

1966年には39盗塁に終了し、連続盗塁王としてのタイトルを6年でストップさせることになります。この年、彼はピッツバーグ・パイレーツに移籍してからも活躍し、1967年には打率.302、29盗塁を記録。さらには1968年には52盗塁を達成しました。その後、1969年にはモントリオール・エクスポズに移籍し、シーズン途中に再びドジャースへ戻り、1972年に引退するまでチームと共に戦いました。

引退後は監督業にも挑戦しましたが、期待された成績を残すことができず、1980年にはシアトル・マリナーズで監督を務め、翌年には解任されました。その後も日本の阪急ブレーブスで臨時コーチとして活動するなど、国際的にキャリアを広げました。

最後の日々と影響

2022年にウィルスはアリゾナ州で亡くなったと発表されました。彼の子息であるバンプ・ウィルスもメジャーリーグで活躍し、父親の道を引き継ぐ形で196盗塁を記録しています。ウィルスの存在はアメリカ野球において決して忘れ去られることはなく、彼の記録や偉業は今なお多くの選手たちに影響を与え続けています。彼のスピードと技巧は、野球の新しい時代の幕開けを象徴するものであったと言えるでしょう。

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