ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田は、プロリーグであるジャパンラグビーリーグワンのDIVISION3に所属する社会人ラグビーチームです。公式略称は「L戸田」とされ、ホームタウンは埼玉県戸田市です。

チーム名の由来と特徴

チーム名の「レビン（Levin）」は、英語で「稲妻」や「雷光」を意味します。この名には、稲妻のように素早く、そして力強いプレーでファンを魅了したいという願いが込められています。チームの公式キャラクターには、北米大陸に生息するウシ科の動物「プロングホーン」が採用されています。また、他の多くの企業チームと同様に、「仕事とラグビーの両立」を活動の信条として掲げており、選手たちは社員として業務に従事しながらトップレベルのラグビーを目指しています。

歴史とリーグワンへの道のり

チームの歴史は古く、1980年に社内のラグビー同好会として活動を開始しました。その後、部に昇格し、国内の社会人リーグでの歩みを進めます。

創設初期は関東社会人リーグに所属し、1983年には2部へ昇格。一度3部に降格する時期もありましたが、翌年には再び2部へ復帰するなど、着実に力をつけていきました。そして2002年、関東社会人リーグ1部への昇格を果たし、このカテゴリーで長年プレーを続け、2010年には1部で優勝を飾るに至ります。

翌2011年には、関東社会人リーグの上位リーグであるトップイーストリーグDiv.2へ昇格。ここでも昇格の勢いは止まらず、わずか1年後の2012年にはトップイーストリーグDiv.1への昇格を果たしました。トップイーストリーグが再編された2021年からは、実質的な1部に相当するAグループに所属。

トップイーストリーグAグループでは、2021年と2023年に優勝を達成するなど、リーグの強豪としての地位を確立しました。また、この時期に創設されたトップイーストリーグ春季交流戦トーナメントでも、2021年、2022年と連覇を飾るなど、安定した強さを見せつけました。

こうした長年の実績と強化の取り組みを背景に、2023年7月にプロリーグであるジャパンラグビーリーグワンのDIVISION3への新規参入を申請。そして2024年1月31日、セコムラガッツ、ルリーロ福岡と共に、2024-25シーズンからのリーグワン参入が正式に決定しました。チーム名の「ヤクルトレビンズ」に「戸田」が加わり、「ヤクルトレビンズ戸田」として新たなスタートを切っています。

活動拠点と地域連携

チームは埼玉県戸田市をホストエリアとして活動しています。主な練習拠点は、戸田市にあるヤクルト戸田グラウンドです。

リーグワン参入初年度となる2024-25シーズンのホームゲームは、ホストエリアである戸田市だけでなく、栃木県グリーンスタジアム（栃木県宇都宮市）、アースケア敷島サッカー・ラグビー場（群馬県前橋市）、太田市運動公園陸上競技場（群馬県太田市）、AGFフィールド（東京都調布市）など、関東圏を中心とした複数のスタジアムで開催される予定です。

また、将来的な展望として、群馬県前橋市を「セカンダリー・ホストタウン（準本拠地）」と位置付け、2025-26シーズン以降、同市のアースケア敷島サッカー・ラグビー場の使用を見据えた整備計画も進められています。

地域との連携にも積極的に取り組んでおり、2023年11月には戸田市と包括連携協定を締結しました。この協定に基づき、教育、スポーツ振興、子育て支援、青少年育成など多岐にわたる分野で戸田市と協力し、地域住民との結びつきを深める活動を展開しています。

チームを支える人々

現在のチームは、河野崇史ヘッドコーチを中心としたコーチングスタッフ陣が指導にあたっています。また、梛良昌利部長、高安勇太朗監督ら運営スタッフがチームを支えています。チームは過去に「break through」「Change」「前に出る」といった象徴的なスローガンを掲げ、目標達成への意識を共有してきました。

ヤクルトレビンズ戸田は、同じ戸田市内にヤクルト本社関連のスポーツ施設やチーム（東京ヤクルトスワローズのファーム本拠地であるヤクルト戸田球場など）が多数存在する環境で活動しており、地域に根差した企業スポーツ文化の一翼を担っています。

仕事とラグビーの両立という独自のスタイルを貫きながら、一歩ずつ階段を上り、ついにプロリーグの舞台へとたどり着いたヤクルトレビンズ戸田。稲妻のように力強く、そしてファンに勇気を与えるようなプレーで、DIVISION3の舞台に新たな歴史を刻むことが期待されています。

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