ヤグルマギク属

ヤグルマギク属 (Centaurea) について

ヤグルマギク属は、キク科に属する植物のグループです。学名は Centaurea といい、これはギリシャ神話に登場する半人半馬の怪物、ケンタウロスに由来しています。英語ではセントーレアまたはセントレアと呼ばれることもあります。

特徴

ヤグルマギク属の植物は、主に旧世界の温帯地域に分布していますが、北米にも5種ほどが自生しています。草丈は30cmから120cm程度で、一年草または多年草として生育し、寒さに強い種類が多いのが特徴です。葉は細長い形状で、全縁のものもあれば、1回または2回の羽状複葉のものもあります。

花は管状花が集まった頭状花を咲かせ、その姿はアザミに似ているものが多いです。ただし、頭状花の組成が粗く、マツムシソウの花のように見える種類も存在します。一部の種は花に棘を持っており、農業においては有害な雑草として扱われることもあります。

花の色は、大きく分けて青・紫・藤色などのブルー系と、黄色のイエロー系があります。園芸品種としては、白・ピンク・紅色などの花を咲かせるものも存在し、観賞用として広く栽培されています。

栽培と帰化

日本には、19世紀末にヤグルマギクが渡来し、花壇や切り花用の草花として広く流通しました。現在では、ヤグルマギクの他にもいくつかの種類が栽培されています。これらの栽培に伴い、ヤグルマギクやクロアザミなど、一部の種は日本に帰化し、野生化しています。

主な種

ヤグルマギク属には、約350種から600種もの多様な種が含まれています。以下に代表的な種をいくつか挙げます。

Centaurea akamantis
アザミヤグルマ (Centaurea americana)
ムラサキイガヤグルマギク (Centaurea calcitrapa)
シロタエギク（シロタエヤグルマギク、ダスティミラー） (Centaurea cineraria)
ヤグルマギク（ヤグルマソウ） (Centaurea cyanus)
ウラジロヤグルマギク (Centaurea dealbata)
シュッコンヤグルマギク (Centaurea depressa)
Centaurea diffusa
Centaurea diluta
ピンクダスティミラー (Centaurea gymnocarpa)
イベリアアザミ (Centaurea iberica)
ヤグルマアザミ (Centaurea jacea)
キバナヤグルマギク（オウゴンヤグルマギク） (Centaurea macrocephala)
Centaurea maculosa
ヒレハリギク (Centaurea melitensis)
ヤマヤグルマギク (Centaurea montana)
クロアザミ (Centaurea nigra)
Centaurea phrygia
Centaurea sadleriana
キダチキツネアザミ (Centaurea salmantica)
Centaurea scabiosa
イガヤグルマギク
イエローサルタン (Centaurea suaveolens)
Centaurea sulphurea
Centaurea tchihatcheffii
Centaurea virgata

かつての仲間

かつてヤグルマギクの仲間とされていたニオイヤグルマギク（スイート・サルタン）Amberboa moschataは、現在では独立したニオイヤグルマ属 Amberboa に分類されています。

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