ヤップハンク駅

ヤップハンク駅は、アメリカ合衆国ニューヨーク州サフォーク郡ヤップハンクの村落に設けられたロングアイランド鉄道（LIRR）本線、グリーンポート支線の停車駅です。サフォーク郡道21号線、ヤップハンク・アベニュー付近のパーク・ストリートに位置しており、サフォーク郡内および周辺の道路網から比較的容易にアクセスすることが可能です。

この駅の特筆すべき特徴の一つは、次駅であるリバーヘッド駅との間に広がる14.7マイル（約23.7キロメートル）の距離にあります。これはロングアイランド鉄道の駅間距離としては最も長い区間として知られています。駅周辺には、線路の北側、ヤップハンク・アベニューの立体交差橋の下にサフォーク郡庁舎が存在します。また、駅に近接する場所には、サフォーク郡警察署の自動車整備工場（「ベクター・センター」とも呼ばれる）や、ジョージア・パシフィック鉄道の貯木場があります。さらに、ヤップハンク・アベニューの橋を渡った北西には、歴史的な建造物であるサフォーク郡救貧院納屋や、旧サフォーク郡サナトリウムの跡を見ることができます。

ヤップハンク駅の歴史は古く、当初は1845年に「ミルビル駅」（MillvilleまたはMilleville）として開業しました。しかし、開業からわずか1年後に現在の「ヤップハンク駅」に改称され、それ以来その名称が用いられています。1875年には、初代駅舎に代わる2代目の駅舎が建設されました。この駅舎は、精巧なヴィクトリア様式の装飾的な木工細工（ジンジャーブレッド細工）が施された、当時としては非常に華やかで目を引く建物だったと伝えられています。

特に第二次世界大戦前、ヤップハンク駅は歴史的に特別な役割を果たしました。この駅は「キャンプ・ジークフリート・スペシャル」と呼ばれる列車の停車駅として知られていたのです。この列車は、当時ニューヨーク各地から、悪名高いヒトラーユーゲントのキャンプとして知られていたキャンプ・ジークフリートへ、ドイツ系アメリカ人協会のメンバーを輸送していました。駅舎の装飾的な特徴は、1941年6月に大幅に削減され、その後、2代目駅舎は1958年に閉鎖され、1961年には全焼するという運命をたどりました。駅舎が失われた後、ヤップハンク駅は長らく、コンクリートの囲いが設けられた待合所付きの簡素なプラットホームのみという構造になりました。

1990年代に入ると、駅の構造に再び変化が見られました。この時期に、より高い位置に設けられた高床式のプラットホームが整備され、従前の配置に取って代わりました。現在の駅構造は、線路の北側に位置する高床式の単式ホームが1面あるのみです。このホームの有効長は1両半程度と短く、線路もこの区間では1線のみとなっています。

なお、ヤップハンク地域には、ヤップハンク駅の東に位置する「カーマンズ・リバー駅」という、もう一つの歴史的なLIRRの駅が存在しました。この駅はヤップハンク駅より早い1844年に建設され、マナーヴィル駅やリバーヘッド駅が1845年に建設されるまでの間、LIRR本線の一時的な終点として利用されていた時期があります。ヤップハンク駅の開業とほぼ同時期に存在したこの駅は、LIRRの初期における路線の発展を知る上で興味深い存在です。

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