ヤナギバグミ

ヤナギバグミ（学名: Elaeagnus angustifolia）は、グミ科グミ属に分類される植物です。中央アジアの乾燥地帯が原産で、砂漠のような厳しい環境でも生育できる強靭さを持っています。タマリスク、コトカケヤナギと共に「砂漠の三英雄」と称され、砂漠緑化に重要な役割を果たしています。

中国では「砂棗（さそう、すななつめ）」と呼ばれ、特に新疆ウイグル自治区に多く自生しています。そのため、日本でも「スナナツメ」として知られることがあります。また、フランスでは「ボヘミアのオリーブ」と呼ばれることもあります。果実は「トレビゾンドのデーツ」という別名を持ちます。

ヨーロッパには、17世紀初頭にイギリスの植物学者ジョン・パーキンソンによって紹介されました。その後、18世紀にはドイツにも広がりました。現在では、フランスをはじめとするヨーロッパ各地の砂地や道端で野生化しており、在来植物の生育を脅かす侵略的外来植物として問題視されています。

ヤナギバグミは、乾燥に強いだけでなく、塩害にも耐性があります。そのため、砂漠や海岸沿いの劣悪な環境でも生育できます。春には黄色い小さな花を咲かせ、秋には赤く熟した実をつけます。この実は食用になり、甘酸っぱい味が特徴です。

中央アジアを中心に、西アジア、ヨーロッパ、北アメリカなど広範囲に分布しています。特に乾燥地帯や砂漠地帯で多く見られます。近年では、外来植物として、世界各地で野生化が確認されています。

果実は食用になるほか、観賞用としても栽培されています。また、砂漠緑化や土壌侵食防止にも役立ちます。

ヤナギバグミは、繁殖力が強く、在来植物の生態系に影響を与える可能性があるため、適切な管理が必要です。