ヤニ・ステファノヴィック

ヤニ・ステファノヴィック：多才なヘヴィメタルミュージシャン、その軌跡

ヤニ・ステファノヴィック（Jani Stefanović、1979年5月23日 - ）は、スウェーデンとフィンランドを股にかけて活躍するヘヴィメタルミュージシャン、そしてグラフィックデザイナーです。彼の音楽キャリアは多岐にわたり、数多くのバンドやプロジェクトに参加しています。

生い立ちと音楽との出会い

ヤニはスウェーデンのイェーテボリで生まれましたが、少年時代から青年期にかけて約8年間、フィンランドのヘルシンキで過ごしました。彼はこの期間を「自分のすべての始まりの地」と語っており、フィンランドでの経験が彼の音楽性に大きな影響を与えたことが伺えます。2020年現在はフィンランドを活動拠点としていますが、スウェーデンでの活動歴も長く、その国籍は明確にはなっていません。

驚異的な数のバンドを掛け持ち

ヨーロッパのヘヴィメタルシーンではバンドの掛け持ちは珍しくありませんが、ヤニほど多くのバンドに参加しているミュージシャンは稀です。クリスチャン・アルヴェスタムも複数のバンドでヤニと活動を共にしています。

音楽キャリアの変遷

1993年頃にヘルシンキへ移住したことがきっかけで音楽に目覚め、ギターとドラムスを学び始めます。当初はドラマーとして活動していましたが、2001年にスウェーデンへ帰国後、ギターをメインに活動するようになります。

帰国後、ストックホルムのメロディックデスメタルバンド、シンズ・オブ・オミッションにドラマーとして加入しますが、バンドはすぐに解散。その後、ヨンショーピングのスラッシュメタルバンド、クリムゾン・ムーンライトにギタリストとして参加し、アルバム1枚に参加後、脱退しています。

2003年には、イーロ・テルツネンと共にヘルシンキでメロディックデスメタルバンド、ルナセントを結成し、ドラマーとして参加。2005年に1stアルバムをリリースしますが、ボーカリストの脱退後、ヤニがボーカルを兼任することになります。しかし、スウェーデン在住のため、フィンランドでの活動が中心であるルナセントでの活動継続が難しくなり、2006年頃に脱退。

2004年には、パワーメタルバンド、ディヴァインファイアを結成。ここでは、主にベースを除く全楽器を担当し、ボーカルやベースも担当することもありました。一時解散しますが、その後再結成し、現在も活動を続けています。

2005年春には、パワーメタルソロプロジェクト、エッセンス・オブ・ソロウを立ち上げます。その後、スリーピース体制となり、ヤニはギターとドラムスを担当。元ソナタ・アークティカのミッコ・ハルキンもキーボーディストとして参加しています。2007年に1stアルバムをリリースしますが、その後目立った活動はなく、現在の活動状況は不明です。

2006年には、デスメタルソロプロジェクト、ミザレーションを立ち上げ、スカー・シンメトリーのクリスチャン・アルヴェスタムがボーカリストとして参加。ヤニは全楽器を担当し、ユニット体制でデビューアルバムをリリース。その後、バンド体制に移行し、ヤニはギターを担当しています。

同じく2006年には、フィンランドのパワーメタルバンド、メヒダにギタリストとして参加。メヒダには、エッセンス・オブ・ソロウにも参加したミッコ・ハルキンや、セリオンのトーマス・ヴィクストロムも参加しています。現在も同バンドのギタリストとして在籍。

2007年には、フィンランドのメロディックデスメタルバンド、Hilastherionに参加しますが、短期間で脱退。同年、ミザレーションでの活動を通じて知り合ったクリスチャン・アルヴェスタムとセッションプロジェクト、ソリューション .45を立ち上げ、後にバンド体制へ移行。

2008年には、クリスチャン・アルヴェスタムらと共にフュー・アゲインスト・メニーを結成し、ドラムスを担当。近年では、メロディックデスメタル/メタルコアバンド、ウィークニングにもギタリストとして参加しています。

2018年には、新たなソロプロジェクト・ザカイア (Zhakiah)を立ち上げ、デビューアルバムをリリース。スラッシュメタルバンド、アム・アイ・ブラッドにも参加していた時期があります。

多岐にわたる才能

ヤニはミュージシャンとしてだけでなく、音楽プロデューサーやレコーディング・エンジニア、グラフィックデザイナーとしても活動しています。その才能は多岐にわたり、ヘヴィメタルシーンにおいて独自の地位を確立しています。

参加バンド一覧

現在の参加バンド
ソリューション .45 (Solution .45) - ギター
ミザレーション (Miseration) - ギター
ディヴァインファイア (Divinefire) - ドラムス、ギター、キーボード
エッセンス・オブ・ソロウ (Essence of Sorrow) - ギター
メヒダ (Mehida) - ギター
フュー・アゲインスト・メニー (The Few against Many) - ドラムス
ウィークニング (The Weakening) - ギター
ザカイア (Zhakiah) - ボーカル、ギター、ベース、キーボード

過去の参加バンド
ルナセント (Renascent) - ドラムス、ボーカル
アム・アイ・ブラッド (Am I Blood) - ギター
クリムゾン・ムーンライト (Crimson Moonlight) - ギター
シンズ・オブ・オミッション (Sins of Omission) - ドラムス
* ヒラステリオン (Hilastherion) - ドラムス

（ディスコグラフィは省略）

まとめ

ヤニ・ステファノヴィックは、スウェーデンとフィンランドのヘヴィメタルシーンを代表する、才能あふれるミュージシャンです。数多くのバンドやプロジェクトでその才能を発揮し、音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア、グラフィックデザイナーとしても活動しています。彼の今後の活躍にも注目です。

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