ヤブマオ

ヤブマオ（Boehmeria japonica）

ヤブマオは、イラクサ目イラクサ科に属する多年生植物で、和名はその姿がカラムシに似ており、藪に生えることから名付けられました。かつてはカラムシと同様に、茎の繊維から糸を紡ぎ、布を織るために利用されていました。

分類

ヤブマオは単為生殖を行うため、その形態には多様性が見られ、分類が難しいとされています。そのため、本種を Boehmeria japonica の変種として、Boehmeria japonica (L.f.) Miq. var. longispica (Steud.) Yaharaと分類する場合もあります。

特徴

ヤブマオは、北海道から九州にかけて広く分布しており、山地から人里まで様々な環境に生育します。茎は枝分かれせずに直立し、高さは80cmから100cm程度まで成長します。

葉は、長さ10cmから15cmの卵状長楕円形または卵円形で、縁には鋸歯があります。葉の先端は尾状に尖っており、裏面には短毛が密生しています。鋸歯は下から上に向かって次第に大きくなるのが特徴です。

ヤブマオは雌雄同株で、葉の付け根から穂状の花序を伸ばします。茎の上部には雌花序が、下部には雄花序が形成されますが、雄花をつけない個体も多く見られます。雌花は非常に小さく、集まって丸い塊を形成し、果実が実る時期には花序に隙間なく連続して付着します。花期は8月から10月です。

脚注

参考文献

長田武正『原色野草観察検索図鑑』保育社、1981年、390頁。ISBN 978-4-586-30058-7。
日野 東『日本の野草・雑草』成美堂出版、2009年、449頁。ISBN 978-4-415-01009-0。

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