ヤマハリゾート

ヤマハのリゾート事業の歴史

株式会社ヤマハリゾートは、ヤマハ株式会社（旧日本楽器製造）の完全子会社として、リゾート施設の運営を行っていました。そのルーツは、1962年に中日本観光開発株式会社が鳥羽国際ホテルの開発に着手したことに始まります。

高度経済成長期の積極的なリゾート開発

高度経済成長期の潤沢な資金を背景に、ヤマハは富裕層向けの広大なリゾートホテルや会員制ゴルフ場を次々と開発しました。特に、海外旅行がまだ一般的でなかった時代には、離島ブームに乗り、南西諸島にプライベートビーチや飛行場を備えたリゾートホテルを開業しました。しかし、これらの施設は1982年には、はいむるぶしを除き閉鎖されました。

多角的なリゾート展開

ヤマハは、既存の施設も積極的に組み入れました。伊勢カントリークラブへの資本参加や寸座ビラの買収はその例です。また、ヤマハポピュラーソングコンテストの開催や、ゴルフクラブ、スキー板の製造など、本業や関連事業との結びつきも意識したリゾート展開を行いました。

バブル期とキロロ[[リゾート]]

1980年代後半のバブル景気とともに、北海道ではリゾート開発が盛んになりました。ヤマハは、当時の社長・川上浩の主導で、キロロ[[リゾート]]の開発に着手しました。スキー場やゴルフ場、豪華なホテルを含む大規模なリゾートでしたが、バブル崩壊後の開業となったため、会員権の販売は低迷しました。結果として、ヤマハはキロロ[[リゾート]]だけで210億円以上の損失を計上することになりました。

事業再編と撤退

2002年3月、旧ヤマハリゾートはヤマハに吸収合併されました。その後、施設ごとに設立された子会社に運営が移管されました。2007年には、鳥羽国際ホテル、合歓の郷、キロロ[[リゾート]]、はいむるぶしの4施設を三井不動産に売却し、リゾート事業から撤退しました。その後、伊勢カントリークラブの株式も売却し、ヤマハ自社開発のつま恋と葛城のみが残りました。

現在のヤマハ リゾート

2011年には、つま恋と葛城の運営会社が合併し、現在の株式会社ヤマハリゾートが誕生しました。2016年にはつま恋の営業が終了し、現在は葛城のみを運営しています。

主な運営施設

葛城北の丸

1978年に開業した、北陸地方の武家屋敷や古民家を移築した和風ホテルです。2002 FIFAワールドカップの際には、日本代表チームのベースキャンプホテルとして利用されました。

葛城ゴルフ倶楽部

1976年に開業した、葛城北の丸に隣接するゴルフ場です。

かつて保有していた主な施設

キロロ[[リゾート]]：北海道にある総合リゾート施設。スキー場、ゴルフ場、ホテルなどがありました。
合歓の郷：三重県志摩市にあるリゾート施設。ホテル、ゴルフ場、テーマパークなどがありました。
鳥羽国際ホテル：三重県鳥羽市にある老舗ホテル。
はいむるぶし：沖縄県小浜島にあるリゾートホテル。
伊勢カントリークラブ：三重県にあるゴルフ場。
キロロゴルフクラブ：キロロ[[リゾート]]内にあった会員制ゴルフ場。
寸座ビラ：静岡県浜松市にあったホテル、レストラン、マリーナの複合施設。
石蕗舎：鹿児島県屋久島にあったリゾートホテル。
旅荘足摺：鹿児島県薩摩硫黄島にあったリゾートホテル。飛行場を併設していました。
旅荘吐火羅：鹿児島県諏訪之瀬島にあったリゾートホテル。飛行場を併設していました。
上地島：沖縄県にあったリゾート施設。
ヤマハリゾートつま恋：静岡県掛川市にあった総合レクリエーション施設。ホテル、コンベンション施設、プール、乗馬クラブなどがありました。

沿革

1962年：中日本観光開発株式会社設立。リゾート事業に進出。
1981年：中日本観光開発がヤマハレクリエーションに改称。
1988年：ヤマハ北海道リゾート開発株式会社設立。
1990年：ヤマハリゾート株式会社（旧）設立。
1991年：ヤマハリゾートがヤマハレクリエーションを吸収合併。
1995年：ヤマハ北海道リゾート開発を解散。事業をヤマハリゾートに承継。
1996年：株式会社はいむるぶし設立。同名施設の運営を移管。
2001年：株式会社つま恋、株式会社葛城、株式会社キロロアソシエイツ設立。
2002年：ヤマハが旧ヤマハリゾートを吸収合併。
2007年：ヤマハがリゾート施設の不動産と運営会社を三井不動産に売却。
2011年：つま恋と葛城が合併し、株式会社ヤマハリゾートに改称。
2016年：「ヤマハリゾートつま恋」の営業終了。

まとめ

ヤマハのリゾート事業は、高度経済成長期からバブル期にかけて積極的に展開されましたが、その後の経営環境の変化により、事業の再編と撤退を余儀なくされました。現在では、葛城北の丸と葛城ゴルフ倶楽部のみが残っています。しかし、ヤマハのリゾート事業は、日本のリゾート開発史において、重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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