ヤマハ・アクシス

ヤマハ アクシスシリーズ：スクーター進化の歴史

ヤマハ発動機が製造販売するスクーター、アクシスシリーズは、長年に渡り多くのユーザーに親しまれてきた人気モデルです。50ccから125ccまで、様々な排気量とモデルバリエーションを展開し、時代のニーズに合わせて進化を遂げてきました。この記事では、アクシスシリーズの歴史と、各モデルの特徴を詳しく解説します。

アクシス50/90 (1990年発売)

1990年に登場したアクシス50とアクシス90は、当時としては上級モデルに位置付けられていました。JOGシリーズの部品を多く流用することでコストを抑えつつ、高い信頼性を実現しています。特にアクシス90は、82ccのエンジンを搭載（車名とは異なる排気量）。これは、50ccモデルのJOGなどにボルトオンで装着可能な「排気ガス規制前横型エンジン」として人気が高く、近年はエンジン単体でも高い需要があります。また、燃料タンクを拡大した長距離走行可能なアクシスプロフットや、鍵付き小物入れを装備したアクシストランクなどの派生モデルも存在しました。

グランドアクシス100 (1998年発売)

1998年に登場したグランドアクシス100は、10psの2ストロークエンジンを搭載したモデルです。当時の日本では、50cc超125cc以下の小型自動二輪車の需要が低かったことから、コスト削減のため台湾山葉機車が製造した車体を輸入することで低価格を実現しました。50ccモデルと変わらない車体サイズながら、12インチホイールによる高い走破性と快適な乗り心地が特徴です。日本メーカーが製造販売した最後の2ストロークエンジン搭載車種として、2008年の生産終了まで多くのユーザーに愛されました。

グランドアクシスの特徴

台湾山葉機車工業製の車体を輸入。
101ccの2ストローク単気筒エンジン搭載(デチューン済み)。
メットインスペース、シート下ガソリンタンク、フットスペースオイル注入口など、独自のレイアウトを採用。
コンビニフック、フロントキャリア、リアボックス（オプション）など、実用的な装備を充実。
* 盗難防止機構として、キー連動式のハンドルロック、センタースタンドロック、後輪ロックなどを搭載。

アクシス トリート (2009年発売)

不景気の影響で小型自動二輪車が注目を集めていた2009年、台湾で製造された「勁風光」をベースに開発されたのがアクシス トリートです。124ccの4ストロークSOHC2バルブ単気筒エンジンを搭載し、排ガス規制に対応した燃料噴射装置（Fi）を採用することで、環境性能と始動性の向上を実現しました。都市部での使い勝手を考慮したコンパクトな車体と、維持費の安さが魅力でした。また、リアボックスやグリップヒーターなどを装備した快適セレクションも販売されましたが、2017年には排出ガス規制強化により生産終了となりました。

アクシス Z (2017年発売)

アクシスZは、台湾で製造された「勁豪」をベースにしたモデルです。トリートの後継モデルとして、メットインスペースの大容量化(ジェットヘルメット2個収納可能)と車体軽量化(10kg減)を実現。トリートと同様のエンジン機構をベースに、内部構造を全面的に刷新したBLUE COREエンジンを搭載し、環境性能と動力性能、燃費性能の向上を両立させました。

まとめ

アクシスシリーズは、長きに渡りヤマハ発動機が展開してきたスクーターシリーズです。時代の変化に合わせて排気量やエンジン、装備を進化させながら、ユーザーニーズに応えるモデルを提供してきました。2ストロークエンジン搭載車種から、最新のBLUE COREエンジン搭載車種まで、その歴史は日本のスクーター文化の一端を担っていると言えるでしょう。それぞれのモデルが持つ特徴や歴史背景を知ることで、アクシスシリーズへの理解がさらに深まることでしょう。

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