ヤマハ・MT-09

ヤマハMT-09：進化し続けるネイキッドスポーツ

ヤマハ発動機が製造するMT-09は、大型自動二輪車に分類されるネイキッドスポーツバイクです。MTシリーズの第二世代として、2013年にMT-07と共に開発されました。ミラノショーと東京モーターショーで発表後、欧州市場への先行発売を経て日本国内でも販売が開始されました。北米市場ではFZ-09として販売されています。2017年には、ブルーイッシュグレーソリッド4のボディカラーがオートカラーアウォード2017グランプリを受賞するなど、高いデザイン性も評価されています。

各モデルの特徴：進化の軌跡

MT-09はこれまでに幾度かのモデルチェンジを経ており、それぞれのモデルで性能とデザインが進化しています。主なモデルは以下の通りです。

RN34J (2014年-2016年): 初代モデル。直列3気筒120°クランクエンジンは、ヤマハ独自のクロスプレーンコンセプトに基づいて設計されており、力強いトルク特性が特徴です。軽量コンパクトな車体設計も魅力で、400ccクラス並みの扱いやすさを実現しました。ABS仕様(MT-09A)も設定されており、2015年モデルからはMT-09 ABSとして名称変更、2016年モデルからはトラクションコントロールシステムが追加されました。

RN52J (2017年-2020年): 2代目モデル。平成28年排出ガス規制に対応し、エンジンは欧州仕様とほぼ同等のスペックに。サスペンションは41mmインナーチューブ倒立フロントフォークに圧側減衰力調整機能を追加。デザインも変更され、特徴的な4灯式LEDヘッドライトや、M字型をモチーフにしたテールランプが採用されました。アシスト＆スリッパークラッチやクイックシフトシステム(QSS)の採用により、クラッチ操作性とシフトチェンジの操作性が向上しました。2018年には上級モデルのMT-09 ABS SPも登場しましたが、2019年でカタログ落ちしました。

RN69J (2021年-): 3代目モデル。フルモデルチェンジにより、内外装デザイン、エンジン、フレーム、電子制御システムなど、あらゆる面で大幅な進化を遂げました。スタイリングは、初代と2代目のデザインを継承しつつ、空力性能を意識した空気を想起させるデザインが特徴です。888ccの水冷直列3気筒エンジンは、新設計された主要パーツにより軽量化と高効率化を実現しました。燃料噴射システムの変更により、燃費は従来比9%向上しています。フレームはCFアルミダイキャスト製となり、大幅な軽量化と高剛性化を達成しました。さらに、ヤマハ独自のSPINFORGED WHEEL技術による軽量ホイールを採用、前後で約700gの軽量化を実現しています。電子制御システムには、IMU(慣性計測ユニット)を用いたTCS(トラクションコントロールシステム)、SCS(スライドコントロールシステム)、LIF(リフトコントロールシステム)が搭載され、安全性の向上に貢献しています。クイックシフターは、シフトアップに加え、シフトダウン機能も追加されました。上級モデルのMT-09 SP ABSは、高性能サスペンション、クルーズコントロールなど、より充実した装備を備えています。

まとめ：ライダーを魅了する一台

MT-09は、高い走行性能とスタイリッシュなデザイン、そして先進のテクノロジーを融合させた、魅力的なネイキッドスポーツバイクです。それぞれのモデルで進化を続け、常に時代の最先端を行く一台であり続けています。スポーティな走りを求めるライダーにとって、最高の選択肢となるでしょう。

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