ヤマム

ヤマム（Yamam）

ヤマムは、イスラエル国境警察に属する特殊部隊であり、主な任務は人質救出と対テロ作戦です。1973年に創設されたこの部隊は、特に迅速かつ効果的な作戦遂行能力で知られ、多くの成功を収めてきました。

概要

ヤマムの編成は、アメリカのFBI人質救出チームやドイツのGSG9に似た小隊規模の分遣隊が基本となっています。彼らの歴史において有名な作戦の一つは、1988年に発生した「お母さんバス人質救出作戦」です。この事件では、バスが5名のテロリストに占拠され、多くの人質が母親たちであったことからこのように呼ばれました。

ヤマムの隊員は静かに占拠されたバスに接近しましたが、残念ながらテロリストは人質を虐待し始めたため、やむを得ず強行突入を決断しました。隊員は狙撃手として2名のテロリストを射殺し、その後、拳銃を持った突入チームが閃光手榴弾を使用してバスに突入し、残るテロリストも排除されました。この成功によって多くの人質が救出されましたが、作戦の過程では一般市民の犠牲も発生し、批判の声が上がることもありました。

さらに、2018年11月にはガザにおいて、イスラム原理主義者ハマスの指導者の拠点に対する監視作戦が行われました。しかし、予期しない銃撃戦に突入し、ヤマムの隊員の中佐が戦死し、他の隊員も負傷しました。最終的には仲間を救うために航空支援を要請し、辛うじて脱出しました。この時、ハマスは隊員が置き去りにした消音器付きのグロック19を公開し、その後も緊張が高まる結果となりました。

装備

ヤマムはその装備の最新鋭化にも力を入れており、マイクロ・タボール(MTAR-21)や光学照準器付きのM4カービン、消音器付きのFN P90、そしてグロックなどが主に使用されています。過去には、ブローニング・ハイパワーやUZI、ジェリコ941、ガリル・ガラッツ、ステアーSSGなどを装備していましたが、技術の進歩に合わせて常に装備の見直しを行っています。

評価

ヤマムはその特殊部隊としての優れた能力に高い評価を受けていますが、一方で作戦遂行中に一般市民が犠牲になることもあり、その運用に対して批判の声も上がります。特に、テロリストを排除するための大胆な行動が時折非難されており、慎重さが求められています。ヤマムは、これらの課題をどう乗り越えていくか、そして今後もどのように任務を遂行していくかが注目されています。

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