ヤマルLNG

ヤマルLNGについて

ヤマルLNG（ヤマル液化天然ガス）は、ロシアのヤマル半島北東部にあるサベッタに設置された液化天然ガス（LNG）プラントです。このプラントは、ロシア国内で最も豊富な天然ガスの埋蔵量を持つヤマル半島の資源を活用するためにJSC Yamal LNG社が推進しています。

プロジェクトの構成

このプロジェクトは、ノヴァテクが50.1%を保有し、フランスのトタルと中国石油天然気集団が各20%、中国のシルクロード基金が9.9%の株式を持つ合弁事業です。プロジェクトの責任者は当初Gleb Luxemburgでしたが、2014年9月にEvgeny KotがCEOに就任しました。

かつて、ロシアのガスプロムも同様の名前の代替計画を提案しており、アメリカのエクソンモービルやコノコフィリップスも提携候補に名を挙げていました。また、ロイヤル・ダッチ・シェルやレプソル、ペトロ・カナダも関与の可能性が考えられていました。

しかし、2014年のクリミア危機後、欧米諸国による経済制裁が行われたため、ロシアは資金調達に苦しみました。この状況において、中国企業との提携が難局を乗り越える手助けとなりました。

資源供給とインフラ

LNGの供給は主に南タンベイスコエガス田から行われ、大部分が北極海航路を経由して中国へ輸出されます。設計や調達、建設は、テクニップ、日揮、千代田化工建設からなる合弁企業が行いました。プロジェクトの総コストは約270億ドルにのぼり、3基のプラントは合計で年間1650万トンの処理能力を有します。なお、関連設備の約70%以上は中国製です。

初のプラントは2017年末に操業を開始し、2021年までに完全稼働する予定です。さらに、プラントに加え、海港、空港、そして発電所も建設されています。この発電所は、テクノプロメックスポートが建設し、タービンはシーメンスから供給されており、380MWの発電能力を持っています。発電所は2018年に稼働を開始しました。港湾は2013年9月から工事が始まり、2018年に完成を見ました。

また、ヤマル半島の向かい側には、次のLNGプラント「Artic LNG 2」の計画も進行中です。

輸送手段

一年を通じてLNGを輸出するための対策として、厚さ2.5メートルの氷を砕くことができる砕氷船15隻を契約しました。これらの船舶は、Sovcomflotから1隻、商船三井から3隻、Dynagasから5隻、Teekayから6隻を借りています。さらに、大宇造船海洋（韓国）が製造した16隻の複動砕氷式ガスタンカーもソヴコムフロットによって運行されています。最初の砕氷船「Christophe de Margerie」は2017年8月にノルウェーから韓国へと移動し、19日かけてその航海を完遂しました。

このように、ヤマルLNGはロシアにおける重要なエネルギー供給プロジェクトとして、国際的な投資や協力を背景に推進されています。

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