ヤングアダルト図書館サービス協会

ヤングアダルト図書館サービス協会（YALSA）について

ヤングアダルト図書館サービス協会（Young Adult Library Services Association、YALSA）は、1957年に設立されたアメリカ図書館協会（ALA）の重要な部門です。その使命は、図書館が10代の若者たちへより質の高いサービスを提供できるよう、図書館の能力向上を支援することにあります。司書、図書館職員、そしてその活動に賛同する人々が集まる全国的な団体として、YALSAは青少年の読書推進と図書館サービスの発展に大きく貢献しています。

YALSAの主な活動

YALSAは、年間を通して様々なイベントや賞を通じて、10代の若者と図書館を結びつける活動を積極的に行っています。

ヤングアダルト文学シンポジウム: 毎年開催されるこのシンポジウムは、ヤングアダルト文学の最新動向や課題について議論する場です。
10代のための読書週間（Teen Read Week）: 毎年10月の第3週に実施され、読書の楽しさを広めるためのイベントや活動が展開されます。
10代のためのテック週間（Teen Tech Week）: 毎年3月の第2週に、テクノロジーを活用した学習や創造的な活動を促進します。

これらのイベントに加え、YALSAは数々の賞を主催し、優れたヤングアダルト文学作品や貢献を表彰しています。

YALSAの歴史

YALSAは、1957年にアメリカ図書館協会の再編に伴い、ヤングアダルトサービス部門（YASD）として発足しました。青少年向けの資料の評価・選定を主な任務とし、書籍選定委員会が中心となって活動を展開。1960年と1971年のホワイトハウス青少年会議にも代表を派遣し、若者のための図書館サービスの重要性を訴えました。

1970年代には独自の事務局とスタッフを擁するまでに成長し、ALA評議会における部門代表の地位を獲得。1988年にはジャンル別の書籍委員会が設立され、書籍選定への関与をさらに深めました。1992年には、組織の認知度向上とイメージ刷新のため、ヤングアダルトサービス協会（YALSA）へと名称を変更。同時に、新しいロゴや使命、ビジョンの声明を発表しました。

1990年代のブランド変更以降、YALSAはオンラインでの存在感を高め、Teen Read Weekなどの新しいプログラムを導入。プリンツ賞やアレックス賞といった表彰制度も開始しました。公共図書館における若者向けサービスへの貢献が評価され、ALAからWorld Book Goal Awardを2度受賞しています。また、会長たちは会員規約を反映するテーマを特定し始めました。

YALSAの公式学術雑誌である『Young Adult Library Services』は、最新の研究論文や書評、専門的な情報を提供するとともに、組織の公式記録としての役割も担っています。

YALSAが主催する主な賞

アレックス賞: 大人向けに書かれた本の中から、ヤングアダルトに特に魅力的な10冊を選出。
エドワーズ賞: ヤングアダルト文学への永続的な貢献を称え、作家とその作品群に授与。
モリス賞: ヤングアダルト文学における新しい才能を称え、デビュー作の著者に授与。
オデッセイ賞: ヤングアダルト向けの優れたオーディオブック作品に授与（児童図書館サービス部会（ALSC）と共同）。
プリンツ賞: ヤングアダルト文学における卓越した文学作品に授与。
* YALSA Award for Excellence in Nonfiction for Young Adults: ヤングアダルト向けの優れたノンフィクション作品に授与。

YALSAは、これらの活動を通じて、10代の若者が読書に親しみ、図書館を積極的に利用するよう促し、豊かな知識と創造性を育むことを目指しています。

もう一度検索