ヤンブー

ヤンブー（Yanbu）は、サウジアラビア西部のマディーナ州に位置する都市で、紅海に面した重要な港町です。その名はアラビア語で「海辺の泉」を意味するヤンブー・アル＝バハル（ ينبع البحر）に由来します。ジッダから北へ約350km、マディーナからは西へ約160kmの距離にあり、2004年の時点で約18万人の人口を擁しています。

歴史

ヤンブーの歴史は古く、2500年前に遡ります。古来より、イエメンと地中海世界を結ぶスパイスや香料の中継貿易港として栄えました。第一次世界大戦中には、オスマン帝国に対するイギリス軍の拠点の一つとなり、戦略的な重要性を示しました。1975年には、ペルシャ湾から伸びるEast-West石油パイプラインが完成し、東部のアル＝ジュバイルと共に、サウジアラビアの主要な石油輸出港として整備されました。

経済

現代のヤンブーは、サウジアラビアの石油産業における重要な拠点としての地位を確立しています。東部のアブカイクから延びるEast-West石油パイプラインの終着点として、大規模な港と工業団地が造成され、ヨーロッパ諸国への原油輸出の拠点となっています。石油精製や石油化学工場が立ち並び、活気ある工業都市としての側面も持ち合わせています。

観光

ヤンブーは、美しい自然にも恵まれています。港の近くには保護された大きなサンゴ礁が存在し、ダイビングスポットとして人気を集めています。多様な海洋生物が生息するサンゴ礁は、訪れる人々を魅了し、紅海の豊かな自然を満喫できます。

交通

ヤンブーには、プリンス・アブドゥルムフセン・ビン・アブドゥルアズィーズ空港（ヤンブー空港）があり、国内外からのアクセスも容易です。また、高速道路がマディーナやヨルダン、シリアといった近隣諸国と接続しており、陸路での移動も便利です。

外部リンク

ジュバイル・ヤンブー王立委員会（アラビア語、英語）

ヤンブーは、古代から現代に至るまで、貿易と産業の要衝として重要な役割を果たしてきました。その豊かな歴史、戦略的な地理的位置、そして美しい自然景観は、ヤンブーをサウジアラビアにおいて独特な魅力を持つ都市としています。

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