ヤン・ヴェーリング

ヤン・ヴェーリング（Yann Wehrling, 1971年7月3日 - ）は、フランスのイラストレーターであり、政治家です。フランスの環境政党「緑の党」の元全国書記（党首）を務めました。ストラスブール出身。

1988年、環境保護運動団体「フランス自然環境」 (France Nature Environnement) に参加したことがきっかけで、緑の党に入党しました。1992年から1994年まで、環境運動の青年組織「エコロJ」 (EcoloJ) の全国書記を務め、若者の環境意識向上に尽力しました。

1994年、ストラスブールでファイン・アートを学んだ後、イラストレーターとしてのキャリアをスタートさせました。ヴェーリングは、独仏共同テレビ局アルテやアイルランドのテレビ局TG4で美術を担当し、その才能を発揮しました。

緑の党のスポークスマンを経て、2005年1月には党全国書記に選出されました。これは、党内での彼の政治手腕と環境問題への真摯な取り組みが評価された結果と言えるでしょう。2006年12月、党全国書記の地位をセシル・デュフロに譲りましたが、その後も環境保護団体ポール・エコ (Pôle Écolo) 、エコロ (Écolo) に所属し、環境保護活動を継続しています。また、欧州議会では、緑の党に所属する議員たちと協力し、環境保護のための政策提言やロビー活動を行っています。

2005年3月22日の「世界水の日」 (World Day for Water) には、ヴェーリングは緑の党のメンバーと共に、パリのセーヌ川で泳ぐという大胆な行動に出ました。これは、セーヌ川の水質汚染に対する抗議であり、フランス政府に対して環境政策の再検討を強く求めるものでした。この行動は、メディアでも大きく取り上げられ、環境問題に対する人々の関心を高めるきっかけとなりました。

ヴェーリングは、イラストレーターとしての才能に加え、政治家としての行動力と環境問題に対する深い知識を兼ね備えた人物です。彼の活動は、フランス国内だけでなく、ヨーロッパ全体の環境政策にも影響を与えています。

参考文献

「フランス緑の党とニュー・ポリティクス(1)」、『佐賀大学経済論集』2003年5月号、畑山敏夫（著） 佐賀大学経済学会
「フランス緑の党とニュー・ポリティクス(2)」、『佐賀大学経済論集』2003年7月号、畑山敏夫（著） 佐賀大学経済学会
「フランス緑の党とニュー・ポリティクス(3)」、『佐賀大学経済論集』2003年9月号、畑山敏夫（著） 佐賀大学経済学会
'政権に参加したフランス緑の党」、『政策科学』2004年3月号、畑山敏夫（著） 立命館大学政策科学会
『ゲイ＠パリ 現代フランス同性愛事情』 及川健二（著） 長崎出版
『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』 及川健二（著） 花伝社

外部リンク

（[フランス]]語）[ヤン・ヴェーリング・パーソナルサイト
（[フランス]]語）[ヤン・ヴェーリング経歴（緑の党ホームページ内）

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