ユア・ソング・セイヴド・マイ・ライフ

「ユア・ソング・セイヴド・マイ・ライフ」（Your Song Saved My Life）は、アイルランドを代表するロックバンド、U2によって制作された楽曲です。

制作背景とリリース

この楽曲は、バンドのヴォーカリストであるボノが声優として出演したアニメーション映画『SING/シング: ネクストステージ|SING_シング: ネクストステージ』のために特別に書き下ろされました。これは、2019年のA・R・ラフマーンとの共演曲「アヒンサー」以来、およそ2年ぶりとなるU2の新曲として注目を集めました。2021年11月3日に単独シングルとして発表された後、同年12月17日には映画のオリジナル・サウンドトラック盤にリードトラックとして収録され、映画本編では感動的なエンディング・テーマとして使用されています。

楽曲のテーマとサウンド

「ユア・ソング・セイヴド・マイ・ライフ」は、ヴォーカルのボノ自身の生い立ちや、彼が経験してきた内面の恐怖や不安といった、非常に個人的な体験から深いインスピレーションを得ています。ビルボード誌のコラムニスト、スター・ボーウェンバンクはこの楽曲を「音楽が持つ変革的な性質、そして困難な時期を乗り越える過程を歌い上げたもの」と表現しています。サウンド面では、ピアノとストリングスを主体としたアレンジが施されており、温かみのあるポップな楽曲に仕上げられています。

評価と受賞歴

本楽曲は音楽評論家からも高い評価を受けました。『アイリッシュ・タイムズ』紙のエド・パワーは、その「壮大さ」と「非常に高い誠実さ」から、「あらゆるU2の名曲が満たすべき条件」を備えていると絶賛しました。『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』（NME）誌のウィル・ラヴィンは、この曲を「ボノが音楽の浄化力を探求した作品」と見なす見解を示しました。

商業的な面では、ビルボード誌のAdult Alternative Airplayチャートで最高位34位を記録しています。

さらに、「ユア・ソング・セイヴド・マイ・ライフ」は、その芸術性が認められ、第94回アカデミー賞の歌曲賞部門にノミネートされる栄誉に輝きました。

ミュージック・ビデオ

本楽曲のミュージック・ビデオは、映像作家のアヤ・タニムラが監督を務めました。映画『SING/シング: ネクストステージ|SING_シング: ネクストステージ』の劇場公開に先立ち、U2は映画製作を手がけたイルミネーション、配給元のユニバーサル・ピクチャーズ、そしてリパブリック・レコードといった関連会社と共に、音楽教育を通じて恵まれない子供たちを支援する非営利団体「Education Through Music」へのサポートを表明しました。このミュージック・ビデオは、そうした慈善活動とのパートナーシップの一環として制作されており、同プログラムに参加する生徒や教師たちがビデオに出演しています。また、2021年12月28日には、楽曲の日本語詞を掲載した和訳版ビデオも公開されています。

クレジット

楽曲の制作には、U2のオリジナルメンバーであるボノ（ヴォーカル）、ジ・エッジ（ギター、ピアノ、バックグラウンド・ヴォーカル）、アダム・クレイトン（ベース）、ラリー・マレン・ジュニア（ドラム）に加え、以下のミュージシャンやプロデューサーが参加しています。

ジャックナイフ・リー: 追加のピアノ、バックグラウンド・ヴォーカル、プログラミング
マーティン・ハリツェン: 追加のギター、プログラミング
マーク・オッテン: 追加のギター
ダヴィデ・ロッシ: ストリングスアレンジ、演奏

※上記は主なクレジットの一部です。

本楽曲は、U2が持つメッセージ性と、映画のストーリーが融合した感動的な一曲として、多くのリスナーに届けられました。

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