ユジノ・クリリスク

ユジノ・クリリスクについて

ユジノ・クリリスク（南クリルスキー）は、ロシアのサハリン州に属する国後島に存在する町で、地方自治体としては南クリル管区の中心となっています。日本政府はこの地を北海道国後郡泊村に属する古釜布と見なし、現在も領有権を主張しています。千島列島で最大の都市であるユジノ・クリリスクは、2023年の時点で人口が7033人に達し、2006年には6081人と公表されていました。2010年の国勢調査によると、同地の人口は6617人であったため、近年の人口増加が見受けられます。

地理

ユジノ・クリリスクは国後島のオホーツク海沿岸に位置する港町であり、地震や津波、気象を観測するための施設が整備されています。また、自然環境を保護するためのクリルスキ保護区も近くに設置されています。この保護区により、地域の豊かな自然環境が守られています。

歴史

1945年9月からソ連の支配下に置かれ、その後1991年以降はロシア連邦の管轄に所属しています。1946年にはユジノ・クリリスクという名前が付けられ、その翌年には日本人住民が退去を余儀なくされました。ソ連崩壊後は人口が急激に減少しましたが、21世紀に入ってからはロシア政府のインフラ投資によって住宅や工場の建設が進み、人々が再び集まり始めました。

気候

ユジノ・クリリスクは冷涼な夏と厳しい冬が特徴の海洋性気候であり、特に夏には霧が多く航空便の欠航が懸念されます。一方で冬は非常に厳しい気候条件で、海はしばしば荒れますが、オホーツク海沿岸の西海岸と比較すると流氷の影響を受けにくい不凍港として知られています。ロシア気象庁のデータによれば、最も寒い2月の平均気温は-4.9度であり、8月の平均は15.9度となっており、年較差が小さいのが特徴です。

人口統計

2002年の国勢調査によると、ユジノ・クリリスクの住民の80.3%がロシア人、8.2%がウクライナ人、タタール人、ベラルーシ人、カザフ人はそれぞれ1.1%、1.1%、1.0%であり、残りの8.2%はその他の民族を構成しています。

交通手段

現在、ユジノ・クリリスクへはサハリンからの定期航路や航空路があり、具体的にはオーロラ航空がユジノサハリンスク空港から、またタイガエアがクリリスクとクラボザヴォーツクヘリポートからの便を運航しています。また、北海道との間では交流事業を目的とした「交流船」による往来が可能です。これにより、地域間の連携が強まっています。

ユジノ・クリリスクは豊かな自然環境と独自の歴史背景を持ち、現在も発展を続ける地域です。

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