ユストゥス・リービッヒ大学ギーセン

ユストゥス・リービッヒ大学ギーセン：400年以上の歴史を誇るドイツの名門大学

ユストゥス・リービッヒ大学ギーセンは、ドイツ連邦共和国ヘッセン州ギーセン市に位置する由緒ある公立大学です。1607年、ヘッセン＝ダルムシュタット方伯ルートヴィヒ5世によって設立され、当初は神学、法律、医学、哲学の4学部から構成されていました。設立者の名にちなんでルートヴィヒ大学、またはラテン語でLudovicianaと呼ばれていましたが、1945年、19世紀の農化学の父として知られるユストゥス・フォン・リービッヒに敬意を表して、現在の名称に改称されました。

400年を超える歴史の中で、ギーセン大学はドイツ語圏を代表する名門大学の一つとして発展を遂げ、18世紀後半には獣医学や経済学などが、20世紀以降は現代的な学問分野が次々と導入されました。現在では、人文科学、社会科学、自然科学を包含する幅広い学問領域をカバーし、学生たちはそれぞれの関心に基づいて、多様な専門分野を学ぶことができます。人文科学分野では、歴史・文化学、言語・文学・文化学、社会・文化学、心理学などが、自然科学分野では、数学、コンピュータ科学、物理学、地理学、生物学、化学、農化学、栄養学、環境学などが提供されています。

ギーセン大学は、高い教育水準と充実した研究環境を誇り、25,000人を超える学生と、教授300名以上を含む4,500名以上の教職員を抱えています。同市にあるギーセン工科大学と合わせると、ドイツ国内で最大の学生数を擁する教育拠点となります。多くの学生が、活気に満ちた学術環境の中で、質の高い教育と充実した大学生活を送っています。

また、ギーセン大学は、数多くの著名な教授陣と卒業生を輩出してきたことでも知られています。X線を発見したことで知られるヴィルヘルム・レントゲンを始め、アドルフ・フォン・ハルナック、ルドルフ・フォン・イェーリング、エティエンヌ・ラスパイレス、クルト・コフカ、フリードリヒ・ゴットリープ・ヴェルカー、エバーハルト・シュラーダー、ウィルヘルム・ブセットといった著名な学者たちが、ギーセン大学で教鞭を執り、学問の発展に貢献しました。卒業生にも、ヨハン・カスパー・ゲーテ（ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの父）、ゲオルク・ビュヒナー、ゲオルク・ゴットフリート・ゲルヴィヌス、ヨハン・ヤーコプ・ディレン、そしてフランク＝ヴァルター・シュタインマイヤー（第12代ドイツ連邦共和国大統領）など、各界で活躍する著名人が名を連ねています。日本人出身者では大久保規子などがいます。

1929年には、ヘッセン州の統合に伴い、マールブルク大学とともに国立大学となりました。長い歴史と伝統、そして国際的な視点を持つユストゥス・リービッヒ大学ギーセンは、これからも世界をリードする人材育成と、学問の発展に貢献していくことでしょう。

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