ユニオン駅 (ダラス)

ダラス・ユニオン駅

テキサス州ダラスにあるユニオン駅（Union Station）は、市内有数の交通結節点です。アメリカ全土を結ぶアムトラックの長距離列車をはじめ、近郊都市フォートワースへの通勤鉄道トリニティ・レールウェイ・エクスプレス（TRE）、ダラス高速運輸公社（DART）のライトレール（レッドライン・ブルーライン）、ダラス・ストリートカー、そして複数の路線バスが乗り入れており、ダラスの公共交通網において重要な役割を担っています。所在地はサウス・ヒューストン・ストリート400です。

歴史

ユニオン駅は、著名な建築家ジャービス・ハントが設計したテキサス州内の主要駅の一つとして建設されました。1914年から1916年にかけて、ダラス市内で個別に営業していた主要鉄道会社7社のターミナル機能を集約する目的で建設された、ボザール様式の建物です。1916年10月14日に開業した当初は、1日に多数の列車と乗客を扱う設計能力を持っていました。

しかし、20世紀半ば以降の鉄道旅客輸送の衰退により、ユニオン駅の役割は変化します。1969年5月31日をもって民間鉄道会社の旅客営業が廃止され、ダラスはアメリカの主要都市の中で比較的早い時期に長距離旅客鉄道のサービスを失いました。全米の都市間鉄道を担うアムトラックが運行を開始したのは1971年ですが、ダラスにアムトラックが停車するようになったのは1974年3月からです。その後、駅施設はダラス市に売却され、市営の管理となりました。

近代化と活用

ダラス市による駅の所有後、ユニオン駅は大規模な都市再開発事業の一環として改装が行われました。1978年には、隣接するハイアット・リージェンシー・ダラスやリユニオンタワーとの連携を強化するため、コンコースや跨線橋を撤去し、地下通路を整備するなどの改修が施されました。この地下通路は駅と周辺施設を結び、ダラスの歴史を描いた壁画が施されています。

2008年には、約2,300万ドルを投じた2度目の改装が実施されました。この改装により、駅は単なる交通施設としてだけでなく、特別なイベント会場としても利用されるようになりました。高い天井やアーチ窓を持つ広々とした空間は、多様なイベントに対応可能です。これらの改装は、駅を現代的なニーズに合わせた多機能空間へと転換させることを目的としていました。

現在の乗り入れ交通機関

ユニオン駅には、現在以下の交通機関が乗り入れています。

Amtrak: シカゴとサンアントニオ、またはロサンゼルスを結ぶ長距離夜行列車「テキサス・イーグル号」が停車します。
Trinity Railway Express (TRE): ダラスとフォートワースを結ぶ通勤鉄道です。平日に多数の列車が運行されます。
DARTライトレール: ダラス市内の主要な移動手段であるレッドラインとブルーラインが利用可能です。ライトレール駅は1996年に開業しました。
Dallas Streetcar: 路面電車の起点となっています。
* DART路線バス: 複数の系統が発着しています。

ダラス・ユニオン駅は、過去の栄光を偲ばせつつも、度重なる改修を経て、現代のダラスにおける多様な交通手段が集まる要衝として、その重要性を保ち続けています。

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