ユニバース (スーパーマーケット)

株式会社ユニバース：呉服店から地域密着型スーパーへ

株式会社ユニバースは、青森県、岩手県、秋田県を中心にスーパーマーケットチェーンを展開する企業です。アークスグループに属し、その歴史は1896年、三浦万吉氏が八戸で創業した「三萬呉服店」にまで遡ります。当初は呉服店としてスタートしましたが、その後、百貨店へと発展、盛況を極めました。

百貨店時代とスーパーマーケットへの転換

1924年の八戸大火を乗り越え、1934年には株式会社三萬呉服店として法人化。1961年には地下1階地上4階建ての新館を増築し、本格的な百貨店として地域の中心地となりました。屋上遊園地も備え、近隣からも多くの人が買い物に訪れる賑わいを見せていました。しかし、時代の変化に伴い百貨店の経営は次第に厳しくなり、1967年、スーパーマーケットへの転換を決定。同年、株式会社ユニバースを設立し、12月には最初の店舗「小中野店」を開店しました。翌年には三沢店も開店し、チェーン展開を本格的に開始しました。百貨店事業は1969年に終了し、その跡地はジャスコ（現イオン）に売却されました。

多角化経営と企業成長

スーパーマーケット事業の拡大と並行して、ユニバースは多角化経営にも積極的に取り組んできました。1972年にはホテル事業に進出し「ホテルユニバース八戸」を開業。岩手県への進出も果たし、1978年にはCGCグループに加盟しました。その後も、ドラッグストア事業への参入、ショッピングセンターの開発など、事業領域を拡大し続けました。2002年には株式会社ファルと資本提携を結びましたが、ファルの経営悪化を受け2003年には完全子会社化。その後、ファルの店舗を直営化することで事業再編を図りました。

関連会社の再編と上場、アークスグループへの統合

2005年には、関連会社の再編を行い、ホテルユニバースやユニバース興産を子会社化。さらに、2007年には東京証券取引所第二部に上場を果たしました。青森県内では銀行以外の企業としては初の東証上場企業となり、八戸市に本社を置く企業としてはジャスダック市場上場のサンデーに次ぐ快挙でした。しかし、その後、2008年にはホテル事業から撤退。2011年にはアークス株式会社の完全子会社となり、東証一部上場廃止となりました。アークスグループの一員となった後も、ユニバースの社名・店名は存続しており、現在も地域に密着したスーパーマーケット事業を展開しています。

店舗展開と業態

ユニバースは「ユニバース」「Uマート」「ファル」「パワーズU」「ビッグハウス」といった複数の業態を展開しています。「ユニバース」は中型店から大型店まで幅広い規模の食品スーパー、「Uマート」は小型店舗、「ファル」は吸収合併した会社名を受け継いだブランド、「パワーズU」と「ビッグハウス」は食品ディスカウントストアです。これらを通じて、多様なニーズに対応する商品・サービスを提供しています。また、過去には「ビッグハウス」や「パワーズU」といった業態への転換、店舗の移転や閉鎖なども行ってきました。

株式会社ユニバースの軌跡

ユニバースの歴史は、単なるスーパーマーケットチェーンの成長物語ではありません。呉服店から百貨店、そしてスーパーマーケットへと事業形態を変化させながら、常に時代の流れに対応し、地域社会に貢献してきた企業の歩みです。アークスグループの一員となった現在も、その精神は受け継がれ、青森県、岩手県、秋田県の地域住民にとってなくてはならない存在として、発展を続けています。

今後の展望

現在、ユニバースはアークスグループの一員として、地域社会に貢献するスーパーマーケットとして、更なる発展を目指しています。食の安全や安心への意識の高まり、高齢化社会の進展、環境問題など、現代社会が抱える課題にどのように対応し、地域社会に貢献していくのか、今後の展開に注目が集まります。

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