ユヒ5世

ユヒ5世ムシンガ（1883年 - 1944年1月13日）は、ルアンダ王国のムワミとして知られています。彼の治世は1896年から1931年まで続きましたが、その時代は激動の変遷を遂げました。

即位時、ユヒ5世はまだ10代前半という若さでした。彼の治世が始まって間もない1899年、ルアンダはドイツ領東アフリカに組み込まれることになります。ユヒ5世はドイツ軍の力を背景に王権の強化を図りました。しかし、第一次世界大戦でのドイツの敗北は、ルアンダの状況を一変させます。

1916年、ルアンダはベルギーによって占領され、1919年には委任統治領となりました。ベルギーによる統治下では、人頭税の導入が行われ、これに反発する反乱が各地で拡大しました。このような状況の中、1923年にはベルギーの支援を受けて、フツ族の小王国を服属させることに成功しています。

しかし、ユヒ5世の統治に対する評価は分かれるところであり、また彼自身がカトリックの洗礼を拒否したこともあり、1931年11月12日、ベルギー統治政府によって退位させられることとなりました。彼の退位後、長男のムタラ3世と末子のキゲリ5世が王位を継承しています。

ユヒ5世の生涯は、植民地支配の波に翻弄されながらも、ルアンダ王国の維持に努めた複雑なものでした。彼の治世は、ルアンダの歴史において重要な転換期であり、その影響は後世にまで及んでいます。

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