キゲリ5世

キゲリ5世ンダヒンドゥルワ（1936年6月29日 - 2016年10月16日）は、ルワンダのムワミ（王）として、1959年7月28日から1961年1月28日まで在位しました。退位後はキゲリ5世王財団の代表を務め、ルワンダの平和と調和のために活動しました。

生涯

キゲリ5世は、カメンベで生まれ、アストリダ学院とコンゴ民主共和国のニャンゲジ大学で学びました。1954年、兄であるムタラ3世が王位に就くと、国土をフツとツチの土地に区分しました。

1959年、ムタラ3世がベルギーによるワクチン接種後に謎の死を遂げた後、ジャン＝バティスト・ンダヒンドゥルワがキゲリ5世として即位しました。この頃から、ツチとベルギー当局の関係が悪化し始めます。同年、フツによる反乱「万聖節の騒乱」が発生し、ベルギー軍は軍政を敷き、フツを支援する方向へと転換しました。

1961年、キゲリ5世が国際連合事務総長ダグ・ハマーショルドとの会談のためにキンシャサへ外遊中、ベルギー政府の支援を受けたドミニク・ムボニュムトゥワがクーデター（ギタラマのクーデター）を起こし、王政を廃止して行政権を奪取しました。キゲリ5世はダルエスサラーム（タンザニア）へ逃亡し、その後ナイロビ（ケニア）、カンパラ（ウガンダ）、再びナイロビを経て、1992年からはワシントンD.C.（アメリカ合衆国）に政治難民として移住しました。

亡命生活の間、キゲリ5世は世界各地でルワンダ紛争、被害者支援、民族間の調和、平和的解決などについて積極的に活動しました。1997年9月18日には、ジョージタウン大学デルタ・ファイ・エプシロンのアルファ・チャプターで「ルワンダ虐殺：我々の時代における最も防ぐことのできた悲劇」と題した講演を行いました。

2007年8月、BBCのインタビューで、ルワンダ大統領ポール・カガメと対談したことを明かしました。カガメ大統領は、キゲリ5世の帰国の自由を保証し、政府として帰国について調整する意思があることを伝えました。キゲリ5世自身も、国民が自分を統治者として受け入れることを望むのであれば、ルワンダへの帰国に前向きな姿勢を示しました。

2016年10月16日、キゲリ5世はワシントンD.C.の病院で80歳で逝去しました。生涯独身であったため、甥にあたるエマニュエル・ブシャヤイジャ王子が王位継承者となり、ユヒ6世を名乗ることになりました。

キゲリ5世の生涯は、ルワンダの激動の歴史を象徴するものであり、彼の平和への希求は、今もなお多くの人々に感銘を与え続けています。

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