ユルミシチョウ

ユルミシチョウとは？

ユルミシチョウは、囲碁における独特な捕獲戦術の一つです。相手の石を追いかけ、最終的に盤の端まで追い詰めて捕獲することを目的とします。この技術は、通常のシチョウと似ていますが、その戦略と実行には微妙な違いがあります。

シチョウとの違い

シチョウは、相手の石を連続したアタリで追い詰める手法です。一方、ユルミシチョウでは、追いかける石と相手の石との間に一つ「ダメ」と呼ばれる空間が存在します。このダメがあるため、ユルミシチョウはシチョウよりも複雑で、より慎重な手順が要求されます。もし追いかける過程で、両アタリなどの断点が生じると、相手の石を捕獲することができなくなります。

ユルミシチョウは、別名「ダメアキシチョウ」とも呼ばれます。これは、ユルミシチョウがダメを一つ空けた状態で石を追いかける特徴を表しています。

ユルミシチョウの具体的な例

具体的な例を挙げ、ユルミシチョウがどのように機能するかを説明します。

小目一間高ガカリ定石の局面

小目一間高ガカリ定石の局面で、黒が1と切ってきた状況を考えてみましょう。この時、白が3の位置に抱える手は、シチョウアタリがあるために有効ではありません。この局面で、白が2とカケることでユルミシチョウの形が生まれます。

この後、白は符号順に相手の石を追いかけ、捕獲することができます。もし白が誤って6の位置に打ち、7の方向から追いかけると、断点が発生し、相手の石を捕獲することはできません。

ユルミシチョウを成功させるためのポイント

1. 正確な読み: ユルミシチョウは、手順を間違えると相手の石を捕獲できなくなるため、正確な読みが不可欠です。
2. 断点の回避: 追いかける途中で両アタリなどの断点が発生しないように、石の配置を慎重に判断する必要があります。
3. ダメの認識: ユルミシチョウは、常に一つのダメを意識しながら石を追いかける必要があります。

ユルミシチョウの応用

ユルミシチョウは、単独の戦術としてだけでなく、他の戦術と組み合わせて使用されることもあります。この技術を習得することで、より高度な囲碁の戦略を展開することが可能になります。

まとめ

ユルミシチョウは、囲碁における重要な戦術の一つです。その複雑さから習得には時間と練習が必要ですが、一度マスターすれば、対局を有利に進めるための強力な武器となるでしょう。囲碁の腕を磨き、より深くゲームを楽しむためにも、ユルミシチョウの理解と実践は欠かせません。

もう一度検索