小目

小目（こもく）とは

囲碁における小目とは、碁盤の隅から数えて三路目と四路目が交差する点（3,4）または（4,3）の位置を指します。星と並んで隅の重要な拠点であり、隅を確保する上で非常に重要な着点とされています。小目は、隅の星より内側に位置するため、より確実に地を確保できる一方、中央への影響力はやや弱いという特徴があります。また、小目は隅の着点の中でも定石の種類が最も多いことでも知られています。

なお、隅の星の一路内側は小目ですが、辺の星の一路内側は「星下」と呼ばれ、小目とは区別されます。

小目の特徴

小目は、星よりも隅に近いため、隅の地を確保するのに有利です。しかし、その分中央への影響力は弱くなります。三々と比べると中央に寄っているため、地と勢力のバランスが取れた着点といえるでしょう。

シマリ

小目に打っただけでは隅を完全に確保したとは言えません。そこで、対角線上の位置にもう一手打ち、隅を完全に陣地化する「シマリ」が重要になります。シマリは、地を確保するだけでなく、辺への展開や相手の石への攻撃の拠点にもなります。そのため、布石の初期段階でよく打たれます。ただし近年では、シマリを省略して辺への展開を優先する手法も増えています。

代表的なシマリ

小ゲイマジマリ：隅の地を確実に確保できる堅固なシマリです。最も基本的でよく打たれます。ただし、周囲の状況によっては侵入されることもあります。
一間ジマリ：辺への展開がしやすく、雄大な模様を築けます。ただし、隅に隙ができやすく、侵入される可能性があります。
大ゲイマジマリ：隅の地を大きく確保できる可能性があります。しかし、相手に隅を荒らされるリスクもあります。
二間ジマリ：以前は隅の隙が大きいとされていましたが、人工知能の登場により、その価値が見直されています。

カカリ

小目からのシマリを妨害する手として「カカリ」があります。カカリは、シマリと同様に布石において非常に重要な意味を持ちます。

代表的なカカリ

ケイマガカリ：相手からのハサミを誘いますが、近年はハサまずに受けるケースも増えています。
一間高ガカリ：下ツケがよく見られる応手で、定石の基本となります。
大ゲイマガカリ：相手に隅を確保させる代わりに、模様を重視する打ち方です。
二間高ガカリ：隅を確保するか、左辺に展開するのが一般的です。
裏ガカリ: 中国流布石など特定の状況で使われる比較的新しい手法です。

ツケ

小目に直接ツケる手法は、かつては奇手とされていましたが、人工知能の登場によりプロの対局でも使われるようになりました。

時代による変遷

囲碁の初期には星に石を置いて対局していましたが、自由布石法になってから、隅の着点として小目が生まれました。室町時代後期から江戸時代、明治時代にかけては、小目が布石の主流となり、多くの定石が生まれました。昭和に入ると、星と小目を組み合わせた布石が主流になりました。

小目を主体とした布石

秀策流：三隅に小目を配し、手堅く構える布石です。
向かい小目：バランスの良い配置で、実利も模様も重視できます。
並び小目：偏った配置のため、あまり打たれません。
ケンカ小目：先に着手した方が有利になる布石です。

小目から辺へ展開する布石

近年は中国流布石の流行により、シマリを省略して辺に展開する手法も研究されています。

中国流布石：シマリを省略して、辺から圧力をかける布石です。
ミニ[[中国流]]：中国流布石を小型化した布石です。
小林流: 小林光一が考案した布石です。

まとめ

小目は、囲碁における基本的な着点であり、隅の確保に重要な役割を果たします。シマリやカカリ、ツケなどの関連する手法と合わせて理解することで、より深く囲碁を楽しめるでしょう。また、時代によって小目の価値観や使われ方が変化していることも興味深い点です。

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