ユンカース EF 128

ユンカース EF 128の概要

ユンカース EF 128は、第二次世界大戦の終わり頃にドイツで設計されたジェット戦闘機です。この機体は、当時のドイツ空軍が進めていた緊急戦闘機計画に基づいて開発され、その目的は高高度で活動するB-29戦略爆撃機などの脅威に立ち向かうことにありました。

開発背景

1945年の初頭、ドイツ空軍の航空技術部門であるOKLは、新しい戦闘機を必要としていました。この機体は、従来のハインケル He 162 フォルクスイェーガーを代替する役割を担うはずでした。具体的には、高高度の敵機に対抗できる性能を備えることが求められていました。この要件を満たすため、EF 128は単発のハインケル HeS 011ターボジェットエンジンを動力源として採用しました。

1945年2月に提出されたユンカース EF 128の設計案は、多くの候補の中から選ばれました。他の提案には、メッサーシュミット P.1110やハインケル P.1078、フォッケウルフ Ta 183、ブローム・ウント・フォス P.212などがありましたが、最終的にEF 128が選ばれることとなりました。この機体は、非常に先進的なデザインを持っており、より小型の戦闘機に対して大きな注目を集めました。

しかし、ドイツが降伏したため、EF 128は量産されることなく、試作機の模型がわずかに製造されたのみです。最終的には木材を構造に用いた後退翼を持ち、戦闘機としての特性を強化していました。計画では、複座型や全天候対応の夜間戦闘機としての派生型も構想されていました。

機体の諸元

• - 乗員: 1～2名
• - 全長: 7.00m
• - 全幅: 8.90m
• - 翼面積: 17.60m²
• - 翼舷長: 4.5
• - 最大離陸重量: 4,077kg
• - 発動機: ハインケル HeS 011ターボジェットエンジン×1基・推力1,300kg
• - 翼面荷重: 3.14kg/kp
• - 最大速度: 987km/h（高度1,000m）
• - 上昇速度: 最大21.1m/s
• - 実用上昇限度: 13,750m
• - 固定武装: MK 108機関砲×4門またはMG 151/20 20mm機関砲×2門

関連項目と参考文献

ユンカース EF 128は、日本での知名度は低いものの、当時の航空技術の進歩を象徴する重要な機体です。また、緊急戦闘機計画には他にも多くの設計案があり、それらはドイツ航空史における興味深いトピックとなっています。ドイツ空軍が推進したこの種の計画が、形にならなかったことを考えると、歴史の中で失われた可能性を示す一例と言えるでしょう。

もう一度検索