ユン・ドンシクとは？意味をやさしく解説

ユン・ドンシク

ユン・ドンシク（윤동식 尹東植、Yoon Dong Sik、1972年 8月24日 - ）は、韓国ソウル特別市出身の男性総合格闘家、元柔道家。チーム・ユンに所属。

来歴

柔道家として

ユン・ドンシクは、柔道家として輝かしい実績を残している。国際大会47連勝という偉業を達成し、2001年7月にはミュンヘンで開催された世界選手権で銅メダルを獲得した。しかし、当時の韓国柔道界における政治的な事情から、オリンピックへの出場は叶わなかった。

総合格闘家として

2005年、ユン・ドンシクは総合格闘家への転身を果たす。PRIDEに鳴り物入りで参戦し、当初は古賀稔彦や瀧本誠に勝利したと喧伝された。しかし、2005年4月23日に行われたPRIDEミドル級グランプリ1回戦で桜庭和志と対戦し、開始わずか38秒でTKO負けを喫した。

その後、高田延彦が主宰する髙田道場に所属し、PRIDEのリングで瀧本誠、クイントン・"ランペイジ"・ジャクソン、ムリーロ・ブスタマンチといった強豪選手達と対戦したが、いずれも敗北。

2007年にフリーへ転身。同年6月2日に開催されたDynamite!! USAでメルヴィン・マヌーフと対戦した。試合前、カリフォルニア州アスレチック・コミッション（CSAC）の規定により、故障していた足首にテーピングを施すことが認められず、一度は試合をキャンセルしかけたが、イベントプロデューサーの谷川貞治の説得により出場を決意。2Rに腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収め、総合格闘家として念願の初勝利を飾った。

2007年7月16日にはHERO'Sでベルナール・アッカとの対戦が予定されていたが、Dynamite!! USAでの怪我の影響により出場をキャンセル。

同年9月17日、HERO'Sでゼルグ・"弁慶"・ガレシックと対戦し、腕ひしぎ十字固めで一本勝ち。さらに、10月28日に母国で開催されたHERO'S KOREA 2007ではファビオ・シウバと対戦し、同じく腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めた。

2008年4月29日、DREAM.2のミドル級グランプリ1回戦で大山峻護と対戦し、判定勝ち。しかし、6月15日に行われたDREAM.4の2回戦ではゲガール・ムサシと対戦し、判定負けを喫した。

2009年7月20日、DREAM.10でジェシー・テイラーと対戦。グラウンドでの攻防中に左足首の異常を訴え、ギブアップ負けとなった。同年10月25日、DREAM初のケージ開催となったDREAM.12でタレック・サフィジーヌと対戦し、判定勝ちを収めた。

その後はしばらく試合から遠ざかっていたが、韓国のROAD FCなどで40歳を超えてからも総合格闘技の試合に出場。また、2021年にはJTBCのバラエティ番組「集まれば蹴る2」に出演するなど、タレントとしても活動している。

人物・エピソード

ユン・ドンシクは、「グラウンドは自分の領域」と豪語するほどの寝技のスペシャリストであり、そのスキルは本物である。桜庭和志自身も「（道場の人間は）皆極められているし僕も一本取られた」と語っている。桜庭の著書『ぼく…。』によれば、クイントン・"ランペイジ"・ジャクソンがユンとの試合後、桜庭に対して「お前に負けたから弱いと思っていたけど強いじゃないか！」と言ったというエピソードも残されている。

桜庭との対戦前には、「日本人には負けてはならないと教えられてきた」など、日本への敵対心を煽るような発言もあった。しかし、桜庭曰く「自分との試合前にもかかわらず高田道場で練習したいと言ってきた。当然試合前だから断ったけど『試合が終わったら練習しよう』と言った」とのこと。そして、試合後にはその約束が果たされた。

戦績

(省略)

ユン・ドンシク