ユーリー・ニクーリン

ユーリー・ウラジーミロヴィチ・ニクーリン

ユーリー・ウラジーミロヴィチ・ニクーリンは、1921年12月18日にスモレンスク州デミドフで生まれました。彼は1925年にモスクワに移り住み、その後の人生に大きな影響を与えることになります。高校を1939年に卒業後、彼は兵役に就き、対空砲連隊に配属されました。その経験は、後の演技活動にも少なからず影響を与えたと言われています。

戦後、ニクーリンはモスクワのサーカス劇団に入団し、道化師としての技能を磨くことになります。彼の日々は厳しかったものの、その独特の才能が花開く瞬間を迎えるのです。サーカス劇団で働く中で、彼は劇団の舞台監督にもなり、俳優としてのキャリアの礎を築きました。

1958年に映画デビューを果たすと、ニクーリンはコメディ映画に主に出演し続けます。最も有名な作品の一つは、1969年に公開され、ソ連で大ヒットした映画『ダイアモンド・アーム』です。この作品は、彼のコメディアンとしての才能を余すところなく発揮したもので、多くの観客に愛されました。

コメディ以外にも、ニクーリンはシリアスな役柄にも挑戦し、多様な演技力を示しました。特に1962年に第15回カンヌ国際映画祭で上映されたソ連ドラマ映画『Когда деревья были большими』では、深い心理的な表情を演じ、自身の幅広い演技力を証明しました。また、セルゲイ・ボンダルチュク監督の映画『祖国のために』にも出演し、特有の存在感を示しました。

さらに、日ソ合作映画『小さい逃亡者』では道化師ニクーリンとして特異な役どころを果たし、1976年には『戦争のない20日間』でリュドミラ・グルチェンコと共演しました。1983年に製作された『転校生レナ』では、主人公の祖父役を演じ、特に子供たちに愛される作品となりました。

ニクーリンはその才能により、ソ連人民芸術家や社会主義労働英雄といった名誉を受け、さらに二度にわたるレーニン勲章の授与も受けました。彼の業績は多くの観客に喜びをもたらし、その後の世代に多大な影響を与え続けています。1997年、心臓手術後の合併症によりモスクワでこの世を去りました。

また、彼を記念して、天文学者リュドミーラ・ジュラヴリョーワが発見した小惑星「ニクーリン」（4434 Nikulin）の名が付けられました。ユーリー・ニクーリンは、今もなお多くの人々の心に残り、同時にソ連の演劇および映画界における重要な人物として認識されています。

フィルモグラフィー

• - 小さい逃亡者 (Маленький беглец) - 1966年
• - ダイアモンド・アーム (Бриллиантовая рука) - 1969年
• - 祖国のために (Они сражались за Родину) - 1975年
• - 戦争のない20日間 (Двадцать дней без войны) - 1981年
• - 転校生レナ (Чучело) - 1984年

参考リンク

• - ユーリー・ニクーリン - IMDb（英語）

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