ユーロビジョン・ソング・コンテスト1986

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1986

1986年5月3日、ノルウェーのベルゲンにあるグリーグホールで、第31回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。ノルウェーにとって、この大会は特別な意味を持っていました。過去に6回も最下位（うち3回は0点）という不名誉な記録を持っていたからです。前年の初優勝は、まさに国中を歓喜させました。

大会の舞台裏

製作を担当したNRKノルウェー放送協会は、その栄誉に恥じないよう、完璧で豪華なステージングを目指し、予算を惜しみなく投入。「氷の宮殿」をテーマにした壮大な演出は、観客を魅了しました。さらに、王室からはハーラル皇太子（当時）、ソニア皇太子妃、マッタ＝ルイーセ王女、ホーコン王子も観覧に訪れ、大会に華を添えました。

プレゼンターを務めたのは、1966年に3位入賞を果たした歌手アイセ・クリーヴランド。彼女はダイヤモンドをちりばめた豪華なドレスを身にまとい（この衣装は現在もNRK局内に展示されています）、オープニング・アクトとして"Welcome to Music"を歌い上げました。また、プレゼンテーションは英語、フランス語、ドイツ語の3ヶ国語で行われ、国際色豊かな大会を演出しました。インターミッションには、ノルウェー出身の人気歌手シセルも登場し、美しい歌声を披露しました。

参加国

アイスランドが新規参入し、ユーゴスラビアとオランダが復帰。一方で、ギリシャとイタリアが不参加となり、最終的に20ヶ国が参加しました。ギリシャは正教の聖大土曜日に日程が重なったため欠場しましたが、放送は実施しています。イタリアの不参加理由は不明です。

投票方法

投票方法に変更はありませんでした。各国の審査員が、気に入った他国の10曲に投票し、お気に入り順に12点、10点、8点…と点数を配分します。演目が終了した後、国際電話を通じて各国のスポークスマンが、出場順に口頭で投票結果を発表。プレゼンターが復唱確認し、スコアボードに加算されました。

結果

ベルギー代表のサンドラ・キムが歌う「あこがれ」が、序盤から高得点を獲得し、圧倒的な強さで優勝を飾りました。ドイツを除く全ての国が高得点を投じました。当時13歳だったキムは、ユーロビジョン・ソング・コンテスト史上最年少の優勝者となりました。1989年の規則変更により、出場者は16歳以上でなければならないと定められたため、この記録が更新されることは、当面ないでしょう。

2位に終わったスイスは、「キムは参加資格を満たしていないため、優勝は無効だ」と主張しましたが、認められませんでした。

伝統的に、多くの審査員は主催国に対して高得点を送る傾向がありましたが、この大会ではそのような現象は見られませんでした。ノルウェー代表の"Romeo"に最高得点を与えた審査員はいませんでした。

各国への12点

歌詞

各曲の歌詞については、以下のサイトを参照してください。

Diggiloo Thrush

出典

英語版
* フランス語版

もう一度検索