ユーロビジョン・ソング・コンテスト1988

第33回ユーロビジョン・ソング・コンテスト1988

1988年4月30日、アイルランドのダブリンで開催された第33回ユーロビジョン・ソング・コンテスト。この年は、ダブリン建市1000周年を記念する年であり、イベントは祝賀ムードに包まれました。イベントは、アイルランド放送協会（RTÉ）の制作により、ロイヤル・ダブリン協会で行われました。当日はテレビ司会者パット・ケニーとミシェル・ロッカが進行し、アイルランド語、英語、フランス語の3言語が使用されました。一昨年の優勝者、ジョニー・ローガンが前年のヒット曲「ホールド・ミー・ナウ」をオープニングで歌うという新しい試みもあり、放送時間は合計2時間51分に及びました。

演出の刷新

RTÉは、特に若い視聴者を意識した新しい演出を導入しました。ミュージック・ビデオの制作で名高いデクラン・ローニーが大会の監督を務め、幕間には地元の人気ロックバンド「ホットハウス・フラワーズ」が「Don't Go」を演奏しました。この楽曲のビデオクリップは、ヨーロッパの11ヶ国で撮影され、高い製作費がかけられ、アイルランドにおける史上最高の製作費用となりました。さらに、これまで大道具として利用されていたスコアボードは廃止され、舞台の両脇にはコンピュータグラフィックス化されたスクリーンが設置され、出演アーティストの様子も映し出されました。舞台自体も過去最大にして詳細に作り込まれ、客席は削減されるものの、暗い演出で会場の広さを感じさせる工夫が施されました。

参加国

この年の参加国は、キプロスの不参加を受けて21ヶ国となりました。キプロス放送協会（ΡΙΚ）はヤニス・ディミトルーの楽曲「Thimame」を選出しましたが、同曲が過去に国内選考に参加したことが発覚し失格となってしまいました。例えば、アイルランドは22回目の参加を果たしましたが、他国についての詳細な情報は本部からの中継に依存していました。

投票方法

投票方法には変更がなく、各国の審査員は他国の楽曲に対して12、10、8から1点を与える方式を採用しました。演目終了後には、国際電話でつながれた各局のスポークスマンが順次得票を発表し、プレゼンターが情報を確認してスコアボードに加算しました。

結果

見事に優勝を果たしたのは、スイス代表として出場したセリーヌ・ディオン（カナダ・ケベック州出身）の「私をおいて旅立たないで」という曲でした。大会の最後から2番目に配信されたポルトガルからの得点発表時にはイギリスがスイスを5点リードしていたものの、ユーゴからの配点によってスイスが逆転し、劇的な勝利を収めました。この優勝は、スイスにとって1956年以来の2回目の勝利であり、2015年にはセリーヌ・ディオンの楽曲がフランス語の曲としては最後の優勝曲となっています。

得点表

得点の詳細については次のセクションを参照してください。当大会の詳細な結果や各曲の歌詞についても、今後の参照として残されています。

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