ユーロプロップ・インターナショナル

ユーロプロップ・インターナショナル（EPI; Europrop International Gmbh）は、ヨーロッパの航空機用エンジン製造における主要な合弁企業です。具体的には、MTUエアロ・エンジンズ（ドイツ）、スネクマ（フランス）、ロールス・ロイス・ホールディングス（イギリス）、そしてインダストリア・デ・ターボ・プロパルゾレス（スペイン）という、各国の航空エンジン産業を代表する企業によって構成されています。

EPIの主な事業内容は、エアバスA400M輸送機に搭載されるTP400-D6ターボプロップエンジンの開発、製造、そして販売です。TP400-D6エンジンは、10,690馬力という強大な出力を誇り、A400Mの優れた輸送能力を支える重要な役割を担っています。

本社はドイツのミュンヘンに置かれ、スペインのマドリードには支社があります。この地理的な配置は、EPIがヨーロッパ全域にわたる事業展開を行っていることを示しています。

構成各社の出資比率

MTUエアロ・エンジンズ (28%) ドイツ
ロールス・ロイス・ホールディングス (28%) イギリス
スネクマ (28%) フランス
インダストリア・デ・ターボ・プロパルゾレス （セネル・アエロナウティカとロールス・ロイス・ホールディングスの合弁企業） (16%) スペイン

上記のように、各社はほぼ均等に出資しており、それぞれの技術力と資源を結集してEPIの事業を推進しています。

TP400-D6エンジンの作業分担比率は、構成各国がA400Mを購入する割合に基づいて決定されます。これは、各国がA400M計画に貢献する度合いに応じて、エンジン開発・製造における役割分担を行うという原則に基づいています。現在の生産分担割合は以下の通りです。

スネクマ 32.2% (Techspace Aeroを含む)
ロールス・ロイス・ホールディングス 25%（ドイツでの操業を含む）
MTU 22.2%
ITP 20.6%（前部軸受けの構造体と排気ノズルの組み立てを担当するトルコのTEIを含む）

このように、TP400-D6エンジンの製造は、ヨーロッパ各国の高度な技術を結集した国際協力の象徴と言えるでしょう。各社がそれぞれの専門分野で貢献することで、高性能かつ信頼性の高いエンジンの開発・製造が実現しています。また、トルコのTEIのような協力会社も、特定の部品の製造を担当することで、EPIのサプライチェーンに組み込まれています。

EPIは、TP400-D6エンジンの開発・製造を通じて、ヨーロッパの航空宇宙産業における技術革新を牽引し、A400M輸送機の運用を支える重要な役割を果たしています。

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