ユーンデ

ドイツ初のバイオエネルギー村、ユーンデ

ユーンデ（Jühnde）は、ドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州ゲッティンゲン郡に位置する村です。ザムトゲマインデ・ドランスフェルトを構成する町村の一つであり、ユーンデとバルリッセンの2つの地区から成り立っています。ゲッティンゲンの南西約13km、ハン・ミュンデンの北東約13kmに位置し、ホーアー・ハーゲンの麓に広がる自然豊かな村です。

歴史

ユーンデは、960年にオットー1世によって初めて文献に記録されました。中世には、ミュンデンからゲッティンゲンを結ぶ軍事道路沿いに騎士の城が築かれましたが、1484年にゲッティンゲン住民によって占領、破壊されました。三十年戦争で焼失後、1664年にグローテ男爵オットーがこの地を譲り受け、城を再建。グローテ家は、ハノーファー公に選帝侯位をもたらした重要な人物を輩出しました。19世紀初頭には、グローテ男爵オットー・ウルリヒがナポレオンの支配下で苦しみ、隠居後に村に初期ロマネスク様式の公園を設けました。

経済と社会資本

ユーンデは、ハノーファー - ヴュルツブルク高速鉄道が通っており、町の南部にはユーンデ待避駅とマッケンロートトンネルがあります。

バイオエネルギー村

ユーンデは、ドイツで最初のバイオエネルギー村として知られています。ゲッティンゲン大学の持続的発展に関する学際センターのプロジェクトによって実現しました。町は、エネルギー需要のすべてを再生可能エネルギーでまかなうことを目標とし、住民の協力の下、2005年にエネルギー転換に成功しました。エネルギーの大部分は、周辺の耕作地や水肥からのバイオマスを利用しています。バイオガス施設では、1日あたり約32トンの発酵飼料と29立方メートルの水肥が用いられ、バイオガスをコジェネレーションに利用。電力は町の電力網へ、熱は地中の近郊温熱網を介して各戸に供給されます。冬季には、木片温熱施設が補助的に熱を供給します。ユーンデは、年間400万kWhの電力を生産し、余剰電力を売電することで年間60万ユーロ以上の収入を得ています。また、住民は光熱費を年間約750ユーロ節約できています。

ユーンデの取り組みは、国内外から注目を集めており、アメリカ合衆国や日本からの視察者も訪れています。バイオガス施設は協同組合によって運営されています。

文化と見所

ユーンデは、城館の施設や17世紀から19世紀に建造された木組み建築が特徴的な景観を形成しています。

聖マルティーニ教会

聖マルティーニ教区教会は、1271年に初めて文献に記録されました。現在の姿は16世紀末に形成されたもので、石灰岩の基礎構造と木組み建築の上部構造を持つ西塔が特徴です。教会堂内は簡素な内装で、18世紀末の説教壇付き祭壇が保存されています。集落の中心部から少し高い場所に位置し、集落の風景を特徴づけています。

エーレンハイン

集落の北側の高台には、第一次世界大戦の戦没者を記念するエーレンハイン（名誉の林）があります。オークの木で覆われた林苑で、州道559号線沿いの高台に位置し、周囲の風景を特徴づける存在となっています。第二次世界大戦の戦没者を記念する2つの記念碑も建てられています。

テレビ番組

2007年には、ユーンデで撮影されたテレビ番組『Männer allein daheim』が放送されました。また、バイオガス施設を扱ったドキュメンタリー番組『Wenn Mist zu Strom wird; Ein Dorf heizt ein.』も制作されました。

外部リンク

www.bioenergiedorf.de
www.bioenergiedorf.info

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