ヨアシュ (ユダ王)

ヨアシュ：ユダ王国の第8代王

ヨアシュ（ヘブライ語: יְהוֹאָשׁ‎ Yəhōʾāš）はユダ王国の第8代王であり、その名は「ヤハウェが与える」という意味を持ちます。彼の生涯は、権力争いや信仰の揺らぎを反映した波乱に満ちたものです。

生涯の初期

ヨアシュはユダ王国の王アハズヤの子として誕生しました。アハズヤは政権奪取を狙うイエフによって殺害され、その後、ヨアシュの母であるアタルヤが女王となりました。アタルヤはダビデの血筋を排除するため、ヨアシュの親族に対して冷酷な謀殺を行いました。しかし、ヨアシュの姉妹が大祭司エホヤダの妻であったため、彼とその乳母はエホヤダによって救われました。

王位への道

ヨアシュは、6年間主の宮に隠れて育てられ、大祭司夫妻の保護を受けていました。彼が7歳になった時、大祭司エホヤダは軍隊を動員し、アタルヤを排除するクーデターを決行。ヨアシュを即位させ、新たな王政を確立しました。エホヤダは、ヤハウェとヨアシュのために国民に忠誠を誓わせ、偶像崇拝の廃止に成功しました。

繁栄と堕落

ヨアシュはエホヤダと共に賢い政治を行い、ユダ王国はこの期間に繁栄を享受しました。しかし、大祭司の死後、ヨアシュと国民は神から離れ、アシェラや他の偶像に仕えるようになってしまいました。この堕落の象徴的な出来事は、エホヤダの息子であるゼカリヤが王の罪を指摘した時に起こりました。ヨアシュは国民にそそのかされてゼカリヤを殺害し、その結果、神の怒りを招くこととなります。

謀反と最期

この時期、アラムの王ハザエルがユダ王国に侵攻し、エルサレムを陥落させました。主の宮の宝物は奪われ、ヨアシュは信任を失うことになります。最終的には、彼の家来たちが謀反を起こし、病床にあったヨアシュは襲われて命を落としました。ヨアシュの遺体はダビデの町に葬られましたが、王の墓には埋葬されることはありませんでした。

息子の統治

ヨアシュの後を継いだのは息子アマツヤですが、彼は父の命を狙った家来たちを処刑する一方、その子供たちの命は助けることになります。これにより、ヨアシュの運命と家族の歴史はさらに複雑なものとなりました。

このように、ヨアシュの生涯はただの王の歴史ではなく、信仰と権力、そしてその結果としての悲劇を描いた物語であると言えます。

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