アハズ

アハズ：ユダ王国の王

アハズ（Ahaz）は、紀元前735年から紀元前715年までユダ王国の王として君臨した重要な歴史的人物です。彼の名は「ヤハウェは所有する」という意味を持ち、彼の治世は聖書の中でも注目される存在となっています。

在位年と年齢

アハズは20歳で王位に就き、エルサレムで16年間にわたって統治しました。彼の在位については、聖書「列王記下」や「歴代誌下」によって確認されています。しかし、在位年には異なる見解も存在し、歴史家ウィリアム・オルブライトは紀元前735年から紀元前715年という説を提示していますが、エドウィン・ティーレは紀元前732年から紀元前716年という論を展開しました。このように、アハズの在位に関しては明確な合意が得られていないのが現状です。

来歴と業績

アハズの人生と業績は旧約聖書の「イザヤ書」や「列王記」に詳細に記されています。彼の治世は主にアッシリアとの関係において特異な状況を築きました。アハズはアッシリアに対して従属的な姿勢を貫き、その結果、旧約聖書では背教者的な王として名を残しています。実際、彼は親アッシリア政策に基づいて、アッシリアの神々の崇拝をユダに持ち込み、偶像崇拝を許可したことで、悪しき王として評価されています。

アハズは先代の王、ヨタムの息子として生を受けました。紀元前734年頃、アッシリア王ティグラト・ピレセル3世がシリア方面へ侵攻したことを受け、アハズはアッシリアに従う道を選び、貢納を捧げました。この時期、アッシリアに服属したダマスコ王国やイスラエル王国は、アッシリアに反抗するために同盟を結びますが、アハズは親アッシリアの立場を変えませんでした。

その結果、ダマスコの王レツィンおよびイスラエルの王ペカ・ベン・レマリヤは、アハズを廃位するため共謀しユダ王国に対して攻撃を仕掛けました（いわゆるシリア・エフライム戦争）。エルサレムが包囲された際、アハズは預言者イザヤなどの反対を無視して、ティグラト・ピレセル3世に属王としての礼を取り、援軍を求めます。そして見返りに貢納を捧げることを決定しました。

ティグラト・ピレセル3世はアハズの要請に応じ、ダマスコとイスラエルへの攻撃を開始し、ダマスコを征服し、イスラエルの大部分を併合することに成功しました。このように、アハズの治世は外部との連携によって国を守ろうとした努力が窺えます。

家族関係

アハズの家族については詳細があまり伝えられていませんが、彼はゼカルヤの娘アビイ（またはアビヤ）との間に子をもうけ、その子はヒゼキヤとして名を残しています。ヒゼキヤは後のユダ王国の王として、重要な地位を占めることになります。

アハズは、彼の時代の政治的状況と複雑な関係を通して名を残すことになり、ユダ王国の歴史において重要な役割を果たしました。

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