ヨエンスー

フィンランド北カルヤラ地方の都市、ヨエンスー

ヨエンスーは、フィンランド北カルヤラ県に位置する都市です。1848年に創設され、2021年時点では約7万7千人の人口を有しています。北カルヤラ地方の中心都市として、歴史、教育、文化、そして自然が調和した魅力的な街です。

教育都市としての側面

ヨエンスーは、活気あふれる学生都市としても知られています。6,000人の学生が学ぶ東フィンランド大学と、3,000人の学生が学ぶカレリア応用科学大学が、この街に存在しており、活気に満ちた雰囲気を作り出しています。東フィンランド大学は特に近年発展著しく、25年の間に8つの学部を擁するまでに成長しました。これらの大学の存在が、ヨエンスーの経済や文化の発展に大きく貢献しています。

歴史と発展

1848年、ロシア皇帝ニコライ1世によって開かれたヨエンスーは、当初から北カルヤラ地方の中心地として発展してきました。19世紀には製造業と商業の中心地として繁栄し、1860年には商業特権を獲得しました。地元の製材業も成長し、サイマー運河の建設により水運業も促進され、北カルヤラとサンクトペテルブルク、さらには中央ヨーロッパとの貿易が盛んになりました。19世紀末には、フィンランド有数の港湾都市へと成長しました。

ピエリスヨキ川は、ヨエンスーの歴史において重要な役割を果たしてきました。この川沿いは、何世紀にもわたってカレリア人の商人たちが行き交う交易路であり、1870年に完成した運河は河川交通をさらに発展させました。多くの蒸気船や商業船、丸太舟などが行き交い、河川交通の黄金時代を築きました。

近年では、小さな農業都市から活気ある州の中心地へと発展を遂げました。カルヤラ地域への投資と教育部門への積極的な投資が、この発展を後押ししました。

また、ロシアとの国境に近い地理的条件も、ヨエンスーの歴史に影響を与えています。カレリア共和国との協力関係も、近年再び重要性を増しています。19世紀からの外国貿易の伝統を受け継ぎ、輸出企業も盛んです。

文化と自然

ヨエンスーは高品質の文化イベントが数多く開催され、美しい自然環境も魅力のひとつです。特に「欧州森林機関」の本部が置かれていることから、「ヨーロッパの森の首都」と呼ばれることもあります。この他にも、森林調査や教育施設が充実しています。

その他

ヨエンスーを本拠地とするサッカークラブチームJIPPOヨエンスーは、2008年シーズンには2部相当のウッコネンに所属していました。

著名な出身者には、数学者のロルフ・ネヴァンリンナやメロディックデスメタルバンドのインソムニウムなどがいます。

姉妹都市として、リンシェーピング（スウェーデン）、トンスベルグ（ノルウェー）、イーサフィヤルザルバイル（アイスランド）、ペトロザヴォーツク（ロシア）、ソルタヴァラ（ロシア）、スーオヤルヴィ（ロシア）、ホーフ（ドイツ）などがあります。

小惑星「ヨエンスー (1524 Joensuu)」は、この都市にちなんで命名されました。

ヘルシンキから約437km、クオピオから約136kmの距離に位置しています。

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