ヨドコガタスジシマドジョウ

ヨドコガタスジシマドジョウについて

ヨドコガタスジシマドジョウ（Cobitis minamorii yodoensis）は、淀川水系特有の淡水魚で、その生息地域は主に大阪府に限られています。この魚はコガタスジシマドジョウの亜種にあたり、以前はスジシマドジョウ小型種淀川型という名前でも知られていました。タイプ産地は淀川のある大阪府旭区です。

分布

この魚の分布は、淀川本流およびその隣接するワンドや支流に限られています。かつては桂川や木津川などにも生息していたと考えられていますが、現在では大阪府内の淀川本流にのみ生存が確認されています。彼らは岸近くの砂地や泥地で生息し、そこに潜むことが多いです。

形態

ヨドコガタスジシマドジョウは全長4から7センチメートルほどの小型の魚で、体側には縦の帯模様が見られますが、細くなって点列のようになることもよくあります。筋節数は11から14で、尾鰭や背鰭には灰色の斑点があり、その斑点が尾鰭の後縁を軽く縁取る特徴があります。口髭は3対あり、中でも第2の口髭は目の直径とほぼ等しい長さを持っています。骨質の盤は円形で、尾鰭の根元にある黒点は上側がはっきりしており、下側はやや不鮮明です。また、胸鰭の第1分枝軟条は細く、体側には3から4列の横帯が確認できます。

生態

この魚は春から初夏にかけて増水する5月から7月の間に、河川敷に形成される一時的な浅水域に移動します。そして、その底に卵を産みつける習性を持っています。食性は雑食であり、デトリタスや小型の底生動物、カへ、藻類などを好んで摂食します。

保全状況

河川の改修により淀川のタマリやワンドが急速に減少し、その結果、卵を産む環境が大幅に失われました。また、都市化や水田の整備によって、水系ネットワークが著しく減少しています。この影響を受けたため、淀川水系では1987年以降、宇治川では1996年以降の採集報告はなく、現在の生存可能性は非常に低いと考えられています。そのため、京都府のレッドデータブックでは絶滅種として位置づけられていますが、大阪府のレッドデータブックにおいては絶滅危惧Ⅰ類に指定されており、環境省は絶滅危惧ⅠA類に分類しています。

関連項目

この魚は他の淡水魚とも関連があり、シマドジョウやコガタスジシマドジョウ、またサンヨウコガタスジシマドジョウ、サンインコガタスジシマドジョウ、トウカイコガタスジシマドジョウ、ビワコガタスジシマドジョウなどとともに同じグループに属しています。これらの種はそれぞれ異なる地域に適応して生息していますが、ヨドコガタスジシマドジョウと同様に環境の変化には非常に敏感です。

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