ヨハニスタール飛行場

ドイツ初の飛行場、ヨハニスタール飛行場の歴史

ヨハニスタール飛行場は、1909年9月26日にドイツ初の飛行場として開場しました。ベルリンの南東15kmに位置し、ドイツ航空史において重要な役割を果たしました。世界初の飛行場であるフランスのランス飛行場に数週間遅れての開場でしたが、ドイツにおける航空の幕開けを告げる出来事でした。

開場当初、飛行場の運営は「ベルリン＝ヨハニスタール飛行場およびスポーツ場有限会社」によって行われました。設立者の一人であるゲオルク・フォン・チューディはドイツ航空のパイオニアであり、1909年にフランクフルトで開催された国際飛行船展覧会の運営委員長を務めた人物です。飛行場の維持費は当初、観客の入場料で賄われていましたが、柵を乗り越えてタダ見する観客に悩まされたという逸話も残っています。

1909年10月30日には、ハンス・グラーデが単葉機「Libelle（トンボ）」で、パイロン間を8の字に飛行する「Lanz-Price」を獲得しました。この出来事は、ドイツにおける航空技術の進歩を示すものでした。1911年9月13日には、メリ・ベーゼがドイツ初の女性パイロットとしてヨハニスタール飛行場で免許を取得しました。

ヨハニスタール飛行場は、アントニー・フォッカーをはじめとする多くの航空パイオニアたちにとって、工場や飛行学校を設立する場所としても重要な役割を果たしました。航空技術の発展とともに、飛行場は活気に満ち溢れていきました。

第一次世界大戦が勃発すると、民間航空は軍事利用に転用されました。終戦後の1919年2月からは、最初の航空郵便がこの飛行場から行われました。しかし、1923年にテンペルホーフ空港が開港すると、ヨハニスタール飛行場の重要性は急速に低下しました。

ナチス時代には、この飛行場はドイツ航空研究所の施設として利用され、航空研究の拠点となりました。第二次世界大戦後には、東ドイツ軍の演習場として使用され、航空研究施設は引き続き運営されました。ドイツ再統一後は、研究施設は西ドイツの研究施設に統合され、その役割を終えました。

現在は、飛行場の一部が航空力学公園（Aerodynamischer Park）として整備され、その歴史を今に伝えています。ヨハニスタール飛行場は、ドイツ航空の黎明期を象徴する場所として、その名を歴史に刻んでいます。

ヨハニスタール飛行場の歴史を彩る人々

ヨハニスタール飛行場の歴史には、多くの航空パイオニアや技術者が関わっています。ゲオルク・フォン・チューディは、飛行場の設立に尽力しただけでなく、ドイツ航空の発展に貢献しました。ハンス・グラーデは、初期の航空機開発において重要な役割を果たし、メリ・ベーゼは、女性パイロットの道を切り開きました。アントニー・フォッカーは、自身の工場や飛行学校をヨハニスタール飛行場に設立し、航空産業の発展に貢献しました。

これらの人々によって、ヨハニスタール飛行場はドイツ航空の歴史において重要な場所となったのです。

参考文献

Günter Schmitt: Als die Oldtimer flogen – Die Geschichte des Flugplatzes Johannisthal. transpress Verlag, Berlin 1980, ISBN 3344001299
ウィキメディア・コモンズには、ヨハニスタール飛行場に関するカテゴリがあります。

もう一度検索