ヨハン・ゲオルク・クリスティアン・フォン・ロプコヴィッツ

ヨハン・ゲオルク・クリスティアン・フォン・ロプコヴィッツ

ヨハン・ゲオルク・クリスティアン・フォン・ロプコヴィッツ（Johann Georg Christian Fürst von Lobkowitz, 1686年8月10日 - 1755年10月4日）は、ハプスブルク帝国に仕えたオーストリアの貴族、そして卓越した軍人であり、陸軍元帥の地位にまで昇りつめました。神聖ローマ皇帝ヨーゼフ1世、カール6世、そして女帝マリア・テレジアの3代にわたり、帝国の軍事面で重要な役割を果たしました。

生涯

ロプコヴィッツは、フェルディナント・アウグスト・フォン・ロプコヴィッツ侯爵と、その2番目の妻であるバーデン＝バーデン辺境伯ヴィルヘルムの娘マリア・アンナの間に生まれました。彼の軍人としてのキャリアは、名将オイゲン公の麾下で始まり、スペイン継承戦争や墺土戦争（1716年）といった重要な戦役に参加しました。これらの初期の経験は、彼の軍事的な才能を磨き、後の昇進の基盤となりました。

1729年、ロプコヴィッツはナポリ駐在の陸軍少将（Generalfeldwachtmeister）に任命され、その軍事的な手腕が認められ始めます。1732年にはシチリア総督に、1733年には陸軍中将に昇進し、1734年には騎兵大将、そしてロンバルディアおよびパルマの総督に就任するなど、着実にキャリアを重ねていきました。これらの役職は、彼に軍事的な知識だけでなく、行政官としての能力も試す機会を与えました。

1739年、ロプコヴィッツはトランシルヴァニア方面軍の司令官に転じます。オーストリア継承戦争中の1742年には、ボヘミアにおいて陸軍元帥に任命され、その軍事的キャリアは頂点を迎えました。1743年から1746年にかけては、イタリア方面の司令官として戦い、その間、第二次シュレージエン戦争（1744年）が勃発すると、ボヘミアに戻って再び参戦しました。晩年にはハンガリーの軍司令部に配属され、その長い軍事キャリアを終えました。

1739年には、ロプコヴィッツは金羊毛騎士団の騎士に叙任されています。これは彼がハプスブルク家と帝国に尽くした功績を称えるものでした。

結婚と家系

1718年、ロプコヴィッツはカロリーネ・ヘンリエッテ・フォン・ヴァルトシュタイン（Caroline Henriette von Waldstein, 1702年 - 1780年）と結婚し、間に10人の子女をもうけました。1722年には、ビリナを領していた同族の家系が途絶えたことに伴い、ビリンとアイゼンベルクの所領を相続しました。さらに、皇帝から侯（フュルスト）の称号を許され、弟系ロプコヴィッツ侯家を創設しました。これにより、彼は一族の地位をさらに高めることに成功しました。

参考文献

Adam Wolf (1884). "Lobkowitz, Georg Christian Fürst von". Allgemeine Deutsche Biographie (ドイツ語). Vol. 19. Leipzig: Duncker & Humblot. p. 50.
Constantin von Wurzbach: Lobkowitz, Georg Christian Fürst , in Biographisches Lexikon des Kaiserthums Oesterreich, 15. Band, Seite 342 ff, Wien 1863.

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