ヨルガオ

ヨルガオ

概要

ヨルガオ（夜顔、学名: Ipomoea alba）は、ヒルガオ科に属するつる性の草本植物です。また、ヤカイソウ（夜会草）とも呼ばれています。この植物は、カール・フォン・リンネによって1753年に著書『植物の種』に記載されました。原産地は熱帯北アメリカであり、汎熱帯性の特性を持っています。

特徴

ヨルガオは、通常、長さ5-6メートルに達する茎を持ちます。茎は乳液を含み、原産地では多年草として生育しますが、日本では春に種をまいて一年草として扱われています。花は腋生集散花序に配置され、1-5個の花を持ちます。花冠は白色でロート形をしており、直径は10-15センチメートルほどの大輪で、夕方に開花し、翌朝にはしぼみます。香りも非常に良いです。花は長い花柄に5-7輪が着生し、見る人を魅了します。

また、果実は蒴果で卵状長円形をしており、果柄が膨大です。種子は楕円形で、長さは約0.8-1センチメートル、黒褐色の光沢があり、特に海水に浮く性質があり、海流によって広範囲に散布されることが知られています。

栽培と利用

「ヨルガオ」という名前から、同じく花が似ていることから呼ばれる「ユウガオ」と混同されることがよくありますが、ユウガオ（学名: Lagenaria siceraria var. hispida）はウリ科に属する別の種であり、観賞用の野菜として広く栽培されています。

日本には明治初期に渡来し、観賞用として広まりました。一般的には4月から5月に種をまくことが推奨されており、発芽には約20度の温度が必要ですので、ゴールデンウィークの頃が理想とされています。開花は7月から10月頃で、暖かい地域では11月まで続くことがあります。

園芸用に栽培される品種には「白花夕顔」、「赤花夕顔」があり、特に白花夕顔は直径約15センチメートルの大輪の花を咲かせます。この植物を上手に開花させるには、朝晩に水を与え、しおれないように注意が必要です。一方、赤花夕顔は「ハリアサガオ」とも呼ばれ、茎に多くの突起を持つのが特徴です。この品種は直径が約5センチメートルの小型の花を持ち、花の中心が淡い紅紫色に染まっています。どちらの品種も芳香があり、人気があります。

文学と食用利用

日本の古典文学「源氏物語」では夕顔という名称が用いられていますが、これはウリ科の別の植物を指します。ヨルガオは明治初期に日本に導入されたものであり、観賞用として栽培されているもので、古典的な記述とは異なることを理解することが重要です。また、この植物の若葉は煮て食用とすることができ、加えて種子は下剤として利用されることがあります。興味深いことに、未成熟な種子にはジベレリンが含まれていることも報告されています。

ヨルガオは、美しい花と香りから、庭や公園で観賞用として人気の植物として広く知られています。

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