ヨースト・カピート

ヨースト・カピート

ヨースト・カピート（Jost Capito）は、1958年にドイツで生まれたモータースポーツマネージャーです。特に、自動車レースの世界ラリー選手権（WRC）におけるフォルクスワーゲンチームのチームマネージャーとして知られています。また、彼はダカール・ラリーのナビゲーターとしても成功を収め、トラック部門で総合優勝を果たした実績を持っています。

若かりし日々

カピートの興味は早くからモータースポーツに向けられ、父カール＝フリードリヒはエンジニアでありながらレースにも参加する情熱家でした。この影響を受け、カピートは16歳で運転免許を取得し、エンデューロレースのジュニア選手権での参加を皮切りに1970年代後半にはドイツ国内のジュニアチャンピオンに輝きます。

ダカール・ラリーへの道

1979年、カピートの両親がアフリカ旅行をしている際に、初めてのパリ-ダカール・ラリーと出会います。カール＝フリードリヒはこのラリーに参戦を決意し、1981年にモトクロスで初めての参加を果たします。そして1985年には息子のヨーストと共にトラック部門での優勝を達成しました。

BMWモータースポーツでのキャリア

ミュンヘン工科大学で機械工学の修士号を取得後、彼は1985年にBMWモータースポーツチームに入社し、名高いエンジニア、パウル・ロシェのもとでM5とM3のエンジン開発に取り組みました。この経験が、彼のキャリアの礎となります。

ポルシェでの成功

ポルシェへ移籍した1989年以降、カピートはカレラカップやスーパーカップに用いる911の開発に関わります。彼は顧客からの要望に応え、カレラRSの製造を推進し、成功を収めました。この成功が、ポルシェの高性能モデルの開発に寄与し続けます。

F1キャリアとフォードとの関わり

1996年にF1チームのザウバーに参加し、その後はフォードに移籍します。フォードでは2001年から2012年まで、様々な役職を歴任し、特にモータースポーツ部門ではグローバルな戦略を担い、WRCチームを指揮し、2006年と2007年にマニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。

フォルクスワーゲンでの活躍

2012年、カピートはフォルクスワーゲンモータースポーツ部門のディレクターに就任し、チームをWRCで見事な成績へと導きました。彼の指揮下、フォルクスワーゲンは4年間連続でのタイトル獲得を実現。2016年にはF1のマクラーレンに入るも、短期間でフォルクスワーゲンに復帰します。

ウィリアムズチームのCEO

2021年にはウィリアムズF1チームのCEOに就任し、チーム再建に尽力しますが、2022年に辞任。ドリルトン・キャピタルの意向により、再建には長い期間が必要との判断がなされたとされています。

現在の活動と日本との関係

2024年には北米のラリークロス選手権「ナイトクロス」のシニアアドバイザーに就任。また、過去に日本との関わりも多く、特にザウバー時代においては頻繁に来日し、コロナ禍におけるラリージャパンの中止に対してもコメントを残しています。カピートのルーツをたどると、彼の祖先は15世紀の鍛冶屋であり、その名前は宗教改革とともに変遷してきたことも伝えられています。

このように、ヨースト・カピートは長年にわたりモータースポーツ業界で数多くの影響力を持つ存在として、多くのタイトルと成功を収めてきました。

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