ラリークロス

ラリークロスとは

ラリークロス（英: rallycross）は、舗装された道路とオフロードが混在する特異なサーキットで行われる自動車レースの一形態です。この競技は、激しい運転技術が求められ、特にアクションが満載なレーススタイルが魅力です。ラリークロスは略してRallyXやRXとも呼ばれています。

競技の概要

ラリークロスは、ラリー競技とサーキットレースを融合させた形式で、モトクロスの四輪版とも言われます。コースは環状で、四輪駆動のラリーカーを想起させるマシンが使用されます。そのため、ターマック（舗装路）やグラベル（未舗装路）、さらにはジャンプ台など多様な路面や障害物が設置されているのが特徴です。

基本的な競技形式は「ヒート」単位のスプリントレースで、予選から準決勝、決勝へと進むトーナメント方式が採用されています。また、コース内には「ジョーカーラップ」という特別な迂回路が設けられており、各選手はレース中に1周のみこのジョーカーラップを通過する義務があります。このラップの通過タイミングが勝敗を分ける重要な要素となります。さらに、上から全体を監視するスポッターが無線で位置情報を伝え、ジョーカーラップの戦略的な使用を指導します。

歴史的背景

ラリークロスは1967年にイギリスで始まりました。この年、ABCテレビが企画したイベントがきっかけで、リッデン・ヒル・サーキットでラリードライバーたちによる競技が行われました。このイベントは瞬く間に人気を博し、シリーズ化されることで多くの視聴者を集めました。1968年には、オランダでもこの人気を受けて本格的な大会が開始され、翌1969年にはラリークロス協会が設立されるなど、急速にグローバルな広がりを見せました。

特に北欧やベネルクス、イギリス、フランスでは高い人気を誇り、スピードと技術を追求する選手たちが活躍しています。もともとラリーから転身した選手や、サーキットから新たに参戦する選手も多く、著名な例としてWRC王者のセバスチャン・ローブや、F1王者のジャック・ヴィルヌーヴが挙げられます。

競技の発展と現在

1980年代から1990年代初頭には、ラリークロスはグループBやA規格の車両を用いて全盛期を迎え、ケネス・ハンセンやマルティン・シャンツェといった名選手が登場しましたが、コストの問題やプロモーション不足から一時衰退しました。

しかし、2010年代に入ると、XゲームやRED BULL GRCといったイベントを経て再び盛り上がりを見せ、2014年にはFIA主催の世界選手権が誕生しました。近年では、タイタンRXやナイトロ・ラリークロスといった新たなシリーズも始まり、国内外での人気は高まる一方です。

特に2020年には、安価でレース運営組織から独立したプライベーターによるシリーズが注目を集めており、ますます多様化が進んでいます。レース環境や競技形式が進化を遂げ、競技者や観客にとって楽しみな要素が増加しています。これからのラリークロスの発展が非常に楽しみです。

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