ヨーゼフ・クレメンス・フォン・バイエルン

ケルン選帝侯ヨーゼフ・クレメンス・フォン・バイエルンの生涯

ヨーゼフ・クレメンス・フォン・バイエルンは、1671年に生まれ、1723年に亡くなるまでの間、ヴィッテルスバッハ家の一員として様々な政治的な挑戦に直面しました。彼は1688年から1723年までケルン選帝侯として在位し、その生涯は権力の争いと国際的な紛争に彩られていました。

彼はバイエルン選帝侯フェルディナント・マリアとサヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ1世の娘アデライデ・エンリエッタの次男として生まれました。また、彼の姉マリア・アンナはフランス王太子ルイの妃であり、さらに彼の兄マクシミリアン2世エマヌエルも重要な政治的役割を果たしました。さらに、彼は多くの帝国の権力者たちとの血縁関係を持ちながら、その政治的な影響力を高めていきました。

高位聖職者への道

ヨーゼフは、若干14歳で高位聖職者に選ばれるという特異な経歴を持ちます。1685年に亡くなった従叔父の地位を継承し、ケルンの権力を掌握しました。しかし、彼の選帝侯としての地位は長い安定をもたらすものではありませんでした。1688年、彼はケルン選帝侯となったのですが、これはフランス王ルイ14世との権力闘争の始まりでもありました。ルイ14世は自身の対立候補を支援したため、ケルン選帝侯位を巡る争いが激化し、これが大同盟戦争の一因となりました。

軍事的な関与と亡命

1694年にリエージュ司教に選ばれると、彼は軍事的な関与を深め、兄がスペイン領ネーデルラントの総督としての地位を持つ中で、オランダに対する影響力を拡大しました。彼はフランスと連携するようになり、特にルイ14世のスペイン王位継承問題においては積極的に彼に協力しました。その結果、1701年にはフランス軍を自らの地に駐屯させ、オランダの侵攻拠点として使わせました。

しかしながら、スペイン継承戦争の結果、ヨーゼフはイングランド・オランダ連合軍に領土を失い、1702年にはフランスに亡命することとなります。彼の兄もブレンハイムの戦いやラミイの戦いでの敗北により、バイエルンとスペイン領ネーデルラントを失い、最終的にはフランスへ亡命します。これによって、彼らは戦争中に一度も自らの領土を取り戻すことができませんでした。

復帰と最期

1714年、バーデン条約によりヨーゼフは選帝侯としての地位を回復します。兄と共にドイツに戻り、彼はその後も政界に活躍することになります。しかし、1723年にはボンで亡くなり、その際にニイテの戦略的な遺産と多くの権力者との複雑な関係を残しました。選帝侯位は甥のクレメンス・アウグストによって引き継がれました。

ヨーゼフ・クレメンス・フォン・バイエルンの生涯は、バロック時代のヨーロッパにおける数々の権力闘争や国際的な事件と密接に関連しており、彼の政治的手腕とその後の影響力は、その後のドイツの政治に大きな影響を及ぼしました。

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