ヨーロッパ戦線

ゲーム『ヨーロッパ戦線』概要

『ヨーロッパ戦線』は、1991年12月21日に日本の光栄からリリースされたPC-8801/SR用の戦略シミュレーションゲームです。本作は光栄の「WWIIゲームシリーズ」の第2弾で、前作『提督の決断』（1989年）に続く形で発表されました。本作では第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線がテーマにされており、プレイヤーは「枢軸軍」または「連合軍」に属し、様々なシナリオをターン制で攻略していきます。全体を通しての大きなストーリーはなく、各マップのシナリオを個別に解決していく形式が特徴的です。

開発と移植

本作は光栄が開発を手がけ、プロデューサーには著名なシブサワ・コウが関与しました。また、音楽はアニメ『ルパン三世』などでも有名な大野雄二が担当しています。最初にPC-9801版がリリースされた後、他の日本製パソコンや、スーパーファミコン、メガドライブといった家庭用ゲーム機にも移植されました。1994年には北米市場に向け、タイトルを『Operation Europe: Path to Victory』と変更してスーパーファミコンおよびメガドライブ版が発売されました。さらにPC-98版を収録した『コーエー25周年記念パック Vol.2』や、その後の『コーエー定番シリーズ』としての単品発売も行われています。

ゲームプレイの特徴

本作品は、シナリオ完了式の戦術シミュレーションゲームとして位置付けられ、多様なマップを個別に攻略するスタイルが採られています。プレイヤーは部隊を半自動で指揮し、将軍の能力が部隊性能に影響を与える仕組みです。また、各将軍の能力値の決定方法はルーレット形式であり、リアルな戦術経験を重視しています。プレイヤーは与えられたシナリオの目標に対して、敵軍を指揮して戦略を練りながらゲームを進めていくことになります。

シナリオの内容

本作には、以下の6つのシナリオが用意されています。
1. フランス侵攻戦（1940年5月10日）: ドイツ軍の「黄色作戦」に基づくフランス侵攻の状況を再現。
2. 北アフリカ戦（1942年5月26日）: エルヴィン・ロンメル率いるドイツアフリカ軍団の攻撃をシミュレーション。
3. クルスク機甲戦（1943年7月5日）: クルスクの南方戦区における激しい戦闘を描いたシナリオ。
4. ノルマンディーの戦い（1944年6月6日）: 有名なノルマンディー上陸作戦をテーマにしています。
5. バルジの戦い（1944年12月16日）: 西部戦線でのドイツ軍最後の攻勢を再現。
6. ベルリン攻防戦（1945年4月16日）: 東部戦線における独ソの激闘を中心に展開されます。

音楽と評価

ゲームのサウンドトラックは1991年にCDとして発売され、さまざまな楽曲が含まれています。特にオープニングやエンディングの楽曲は評価されています。また、ゲームはスーパーファミコン版で20点（満40点）と評価され、メガドライブ版でも21点（満40点）のスコアを得るなど、当時のゲーム市場で一定の評価を受けました。

総じて『ヨーロッパ戦線』は、独特のゲームシステムと緻密なシナリオ設計により、戦略シミュレーションファンからの支持を得た作品となっています。

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